公開日:2019年11月29日
現在、伊丹市立美術館で開催中の展覧会「高橋秀+藤田桜 素敵なふたり」(11月2日〜12月22日)。もうご覧になりましたか?
まだの方も、すでにご覧になった方にも、耳よりのアート情報です!
今回の展覧会のタイトルは「高橋秀+藤田桜 素敵なふたり」です。
その「ふたり」とは、生命感あふれる有機的なフォルムの抽象作品で知られる高橋秀(たかはし しゅう、1930年広島県生まれ)と、絵本原画など布の質感や色彩を生かしたコラージュ作品で知られる藤田桜(ふじた さくら、1925東京生まれ)。
(高橋 秀《受胎告知 /Annunciazione》1970 年、京都国立近代美術館)
(藤田 桜《『ぴのっきお』絵本原画 第3図》1971 年、 岡山県立図書館蔵)
「ふたり」は夫婦であり、それぞれに異なる表現手段・作風を持ち、30代の後半に東京での活動に区切りをつけ、約40年間イタリア・ローマの近郊に暮らし、帰国後は岡山県倉敷市の美沙海岸にアトリエを構え、90歳前後となった今も現役で創作活動を続けています。
東京、イタリア、現在(倉敷)と時代ごとに分けられた展示室内に、その当時の「ふたり」それぞれの作品が向かい合うように展示されているのが特徴的です。一つ屋根の下で暮らし創作し続けてきた「ふたり」の芸術家の人生をたどることができる、珍しいスタイルの展覧会となっています。
2019年7月28日には、NHK Eテレのアート情報番組「日曜美術館」で、「秀と桜・海辺のアトリエ」として紹介されました。
なんとその番組が、今週末12月1日(日)午前9:00〜9:45放送の「日曜美術館」で再放送されます!NHKも気の利いたことをしてくれますね。すでに展覧会をご覧になった方も、これからの方もお見逃しなく!
番組Webサイト:NHK「日曜美術館」 ↓
[blogcard url=”https://www4.nhk.or.jp/nichibi/x/2019-12-01/31/18843/1902810/”]
さらに、12月1日(日)と7日(日)には、展覧会の関連イベントとして美術館1階ロビーで「アート・ブックフェア(古書市)」が開催されます!
どういったイベントなのか、フェアを企画された「古書みつづみ書房」さんに聞いてみました!
12月1日(日)・7日(土)
11:00〜17:00
美術館1Fロビー
居留守文庫
ひなたブック
Traveling Bookstore(トラベリングブックストア)
古書善行堂
ぽんぽんぽん ホホホ座交野店
古書みつづみ書房
ところで、芸術家の夫婦の暮らしって想像できますか?
日々の創作上の苦悩があるでしょうし、互いの個性がぶつかり合ったり、逆に影響し合ったりするのでは?と想像しがちですが、どうやら「ふたり」の暮らしぶりは、それとは異なったようです。
お互いの創作には干渉しないけれども、少し離れた距離で気遣い合うような、どこか温かみが感じられるような関係だったことが、作品等を通してうかがい知れます。
(高橋 秀《黄金の稜》2006 年、山陽新聞社)
(藤田 桜《『みずうみは なぜこおる』絵本原画 第 4 図》 1972 年、岡山県立図書館蔵)
そのほか、時代ごとの「ふたり」の作風の変遷にもご注目ください。特に高橋秀は、東京時代からローマ時代にかけても作風が劇的に変化しますし、帰国後も新しい表現を求めて変化し続ける作風が印象的です。
他方、藤田桜の絵本原画は、「ぴのっきお」のように愛らしさを感じる作品あり、デザイン性の強い大胆な構図や色づかいありで、洗練されたセンスが見どころです。
ぜひ、「素敵なふたり」に出会いに、素敵な本との出会いに、伊丹市立美術館に足をお運びください!
高橋秀+藤田桜 素敵なふたり
Takahashi Shu and Fujita Sakura: A Lovely Couple
2019年11月2日(土)〜12月22 日(日)
伊丹市立美術館
兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-20
TEL :072-772-7447
月曜日
10:00〜18:00(入館は 17:30まで)
一般 800(700)円/大高生 450(350)円/中小生 150(100)円
Written by マルコ