公開日:2025年02月11日
2024年10月、伊丹市の未来の文化芸術について「伊丹市文化振興ビジョン」が策定されました。
伊丹市のこれからの文化芸術について、市民の声や市民ワークショップからの意見をまとめ、作成された新たなビジョン。
とてもわかりやすい内容ですのでぜひ読んでみてください。
2025-2036伊丹市文化振興ビジョン
「出会いと対話と文化芸術と。なにかが起こる、わたしのまち」
本編/概要版(PDF/伊丹市ウェブサイト)
ITAMI ECHOとしても少しまとめました。
Index
人間関係が希薄になりつつある現代、変わりゆく社会のなかで、文化芸術が他者とのゆるやかなつながりをつくり、対話を生むと信じて。
出会いと対話と文化芸術があれば、「なにかが起こる」と信じて、今回のビジョンの基本理念は定められました。
「伊丹市文化振興ビジョン」のなかで、伊丹市の藤原市長はこう述べています。
本ビジョンでは、市民の皆様の“小さな取組”や“小さなチャレンジ”を後押しすることを大切にしています。スタートは小さな種かもしれませんが、小さな種をまき続けることで、やがては色とりどりの花が咲き、市民一人ひとりの中に、そして伊丹のまちになにかが起こる。そのように期待し、本市がより活力に溢れ、彩り豊かなまちへ発展していくものと信じております。
「なにかが起こる」まちのなかで、「なにかを起こす」のはわたしたち自身に他なりません。
わたしたちの“小さな取組”や“小さなチャレンジ”がなにかを起こすこと、生みだすことを信じていけたらいいと思っています。
今回のビジョン策定にあたっては、市民の声を聞くためのワークショップの開催があり(2日間)、ITAMI ECHOのメンバーも参加しました。
文字通り輪になってみんなでにぎやかに話し、それを共有。
文化芸術ってそもそもどういうことだろう。
「これ」って規定できるもの?
ふだんはみんなどういう活動をしているの?
わたしたちはこれからの行政には文化芸術のどういうことを期待しているのかな。
グラフィックレコーディングというミーティングの内容をその場で絵や図形などを使ってまとめる手法で、対話はすすみました。
みんなの意見や考えがその場でどんどん描き出されていくのがわかりやすく、楽しい!
こちらで実施されたときの様子を見ることができます。
伊丹市文化振興ビジョン 市民ワークショップについて(伊丹市ウェブサイト)
「余白」や「共存」など実際のビジョンのなかに反映されたことばがいくつもありました。
こうして市民の実際の声も参考に、ビジョンが出来上がりました。
文化振興ビジョンの策定に当たっては、<文化施策の諸課題を整理するとともに今後の文化施策の基本的な方針に関し専門的な見地から意見を聴取するため>ということで、「伊丹市文化振興ビジョン策定懇話会」が設置されました。
伊丹市文化振興ビジョン策定懇話会について(伊丹市ウェブサイト)
多方面で活躍する下記5名の方が委員として委嘱を受けられ、様々な見地から意見交換が行われたとのこと。
会長
中脇健児さん
大阪芸術大学准教授、場とコトLAB代表。伊丹市を代表するイベント「伊丹オトラク」「鳴く虫と郷町」を立ち上げ、近年はファシリテーションやワークショップを開催する。会長代理
衣川絵里子さん
西宮市フレンテホール館長。文化施設を渡り歩き、地域により近い施設のあり方を追求している。ホールを拠点に様々なイベントを企画・制作しつつ、大学や市民講座などの講師も務めている。岩崎正裕さん
劇作家・演出家、大阪芸術大学短期大学部教授。劇団太陽族代表として、伊丹市立演劇ホールのディレクターや一般財団法人地域創造リージョナルシアタ―事業アドバイザーを務める
等、演劇界を中心に活動を展開。上田假奈代さん
詩人・詩業家、堺アーツカウンシルプログラムディレクター。2001年に「詩業家」宣言を行い、全国で活動を展開。喫茶店のふりをしたアートNPO「ココルーム」の設立から釜ヶ崎芸術大学の開校等、文化芸術における社会包摂を長年に渡って実践する。吉田田タカシさん
伊丹市文化振興ビジョン(PDF)より
アトリエe.f.t.代表、ミュージシャン。音楽バンド「DOBERMAN」で活動する一方、放課後等デイサービスやト-キョーコーヒーの運営など、アートを通じた様々な活動を展開。共同代表を務める「まほうのだがしやチロル堂」はまほうのだがしやチロル堂」はグッドデザイン大賞を受賞。
特に大阪芸術大学准教授の中脇健児さんは、公益財団法人いたみ文化・スポーツ財団の職員でもあった方で、伊丹では-ふだん使いの音楽プロジェクト-伊丹オトラク(2005年〜)や鳴く虫と郷町(2006年〜)といった現在では伊丹のまちの風物詩ともいえる文化プロジェクト(イベント)の立ち上げをしてくれました。
こうした方が伊丹の文化芸術の未来にずっと関わってこられることもこれからの未来につながっていくのだと思います。
JR伊丹駅前のアイホールは2025年度末で閉館する方針を固めました。
劇場機能は東リいたみホール内に縮小移転、建物は民間に貸し出し、まちのにぎわい創出につながる事業へと用途転換するとはいえ、関西の演劇シーンをつくってきたアイホールの閉館に落胆を隠せない気持ちがあるのも事実です。
アイホールのこれからの活用も含め、伊丹の文化芸術はこれからどんなふうに変わって、続いていくのでしょうか。
それを見つめてつくりだしていくのもわたしたち市民です。
ITAMI ECHOはこれからもみなさんとともに伊丹の文化芸術について考え続け、つくり続けていきたいと思っています。
伊丹市都市活力部まち資源室文化振興課
TEL 072-784-8043
Written by ITAMI ECHO編集部