公開日:2025年11月27日
伊丹のまちで、30年以上にわたり昆虫と人をつなぎ続けてきた伊丹市昆虫館が、新たな節目を迎えました。
11月19日(水)、大阪市中央公会堂で開催された第73回全国博物館大会にて、同館が「日本博物館協会賞」を受賞!

全国およそ1,100の博物館や美術館、動物園などが加盟する歴史ある団体からの栄誉です。
今回授与された正式名称は「第6回日本博物館協会賞」。
令和2年に創設され、「博物館の振興に大きく貢献し、他館の範となる成果」を挙げた施設に贈られる賞です。
伊丹発の“昆虫文化”が、全国規模で光を放ちました。
受賞理由には、伊丹市昆虫館が歩んできた独自の活動が深く刻まれています。
1990年11月の開館以来、生きた昆虫の展示や標本、手で触れ、感じる体験型の企画展を積み重ねながら、昆虫の奥行きある魅力を伝え続けてきました。
さらに注目されたのが、「鳴く虫と郷町」の取り組みです。
行政や市民と連携し、地域社会全体を「学びの場」として形成しながら、地域活性化だけでなく、市民に地域の良さを再認識してもらうことに貢献しているとの評価をいただいています。
鳴く虫と郷町ウェブサイトより
「鳴く虫と郷町」は、昆虫を扱う市立の小規模博物館でありながら、地域の人々や商店街、学校を巻き込み、特に「スズムシ里親プロジェクト」は、昆虫を介した“学びの場”を地域社会全体へと広げてきた点が高く評価されています。
同館は、基本的な博物館活動を35年にわたり堅実に継続。
加えて当館の学芸員が、日本博物館協会棚橋賞を1回、博物館活動奨励賞を2回受賞するなど、研究と実践の両輪が認められてきました。
授賞式では、選考委員長が当館企画展から刊行された冊子「むしのうんこ」「むしのあかちゃん」を抱えて登壇され、選考委員長はこの2冊を掲げ、「むしのうんこ」「ごきぶり」「昆虫食」など、時に勇気あるテーマに挑み続けてきた数々の企画展にも触れられました。
それこそが、伊丹市昆虫館のアイデンティティ!
数々の企画に、いつも感心しきりです。
また、日本博物館協会賞にとどまらず、全国昆虫施設連絡協議会・矢島賞も複数回受賞していることが紹介され、昆虫館の挑戦が長年にわたり評価されてきたことが示されました。

同賞の過去受賞館は、
など、いずれも地域に根ざした個性を持つ“顔のある施設”ばかり。そこに伊丹市昆虫館が名を連ねました!
小さな昆虫たちは静かに羽ばたきます。鳴く虫たちは、様々な声を聴かせてくれます。
虫の羽の音や声に耳をすます、尊い昆虫の世界を知る、学ぶ。またさらに次の一歩を見せてくれるであろう伊丹市昆虫館!
「昆虫から、地域へ。地域から、未来へ」今回の受賞は、その物語の続きへの期待でもあります!
ITAMI ECHOでは、伊丹市昆虫館の学芸員、スタッフによるコラムを連載しています。こちらも是非ご覧ください!
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伊丹市昆陽池3-1
昆陽池公園内
TEL:072-785-3582
大人:400円
中高生:200円
3歳以上:100円
2歳以下:無料
Written by ITAMI ECHO編集部
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