伊丹市昆虫館コラム|どんぐりの季節がやってくる 

公開日:2022年09月01日

夏休みが終わり、セミの大合唱もいつのまにか静かになった今日この頃。

昆虫館では秋の一大イベント、鳴く虫と郷町の準備が本格化してきます。

そんな季節、個人的に気になってくるのがどんぐりの様子。あと一月もすれば昆陽池公園や伊丹緑地、猪名野神社など市内各所でたくさんのどんぐりが木から落ちてきます。

コナラの実

私は小さな子どもたちに混じって毎年どんぐりを拾います。

展示やイベントのための資料集めです。

どんぐりはブナ科というグループに属する樹木の実の総称で、漢字で書くと団栗(丸いクリという意味)になります。

この仲間は日本におよそ20種、世界に1000種程あります。

昆陽池公園にはクヌギ、アベマキ、コナラ、シラカシ、アラカシ、ウバメガシ、スダジイ、マテバシイといった種類が、市内全体ではウラジロガシ、イチイガシ、ナラガシワなどの種類も確認できます。

どんぐりの木はいつ頃花を咲かせどのように実がなっていくかご存知ですか?

多くは3月から5月ごろに花が咲き、そこから実が成長し9月から11月ごろに熟した実(堅果:けんか)が落ちてきます。

コナラの雄花
コナラの雌花

種類により1年で実がなるもの、2年かかるものがあります。上記ではクヌギ、アベマキ、マテバシイのどんぐりが2年かかる種類です。

花から実が落ちるまでを継続的に観察していると、小さかった雌花が大きく成長する様子がわかったり、どんぐりの木に関わるたくさんの虫たちに出会えたりもします。

6月のコナラの実
8月のコナラの実
成長したコナラの実

また種類によって実の形や殻斗(かくと)と呼ばれる帽子の様子も異なり、たくさん拾って見比べてみるのもおすすめです。

クヌギの実
シラカシの実

シラカシやアラカシなど街路樹に多く使われるどんぐりの木を観察していると、ごく稀ですが一つの殻斗に複数の実(多果)がついている珍しい光景にも出会えるかも。

どんぐり3兄弟(シラカシの多果どんぐり)

この秋は鳴く虫の声を聞きながら樹上や足元のどんぐりにも目を向けてみてはいかがでしょう?

思わぬ発見があるかもしれません。

(伊丹市昆虫館 野本康太)


伊丹市昆虫館
伊丹市昆陽池3-1昆陽池公園内
TEL:072-785-3582
開館時間:9:30~16:30
休館日:火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日休)

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