伊丹市昆虫館コラム|愛される虫

公開日:2022年11月01日

私はてんとう虫グッズを収集しています。きっかけはてんとう虫をテーマにした企画展がはじまり。

ぬいぐるみ、おもちゃ、文房具、台所用品、ベビーグッズ…。

あらゆるものに描かれて、愛されている「てんとう虫」。収集のこだわりは、ワンポイントで図柄が入ったものはNG!製品全体がてんとう虫の色形、フォルムであることです。

カスタネット
パソコンのマウス
ベビー用品のがらがら

テントウムシは、英語ではレディーバード(Ladybird )といいます。レディー(Lady)の意味には、「女性・婦人」のほかに、Our Lady「聖母マリア」をあらわします。つまりテントウムシは、「聖母マリアの鳥」ということになります。キリスト教の欧米社会では、テントウムシに「神様」の特別なイメージがあるのはなぜなのでしょうか?

ひとつにはLadybird の語源が「害虫をたべてOur Lady聖母マリアに仕える」といわれるように、テントウムシがアブラムシをたべる性質が、人間にとって役に立つからと考えられています。また西洋では「赤」は魔女や悪魔から身をまもる特別な色と考えられたり、絵画に聖母マリアが赤い衣をまとって描かれていた、などテントウムシの赤い体を連想させるようです。

この特別なイメージは、キリスト教以前の文化、紀元前の古代ヘブライ語やサンスクリット語でも宗教的な意味があり、アメリカンインディアンの神話にも登場するそうです。

テントウムシは、世界のさまざまな地域や文化の中で、特別なかかわりがあるようです。

アブラムシを食べるナナホシテントウ

(伊丹市昆虫館 角正美雪)


伊丹市昆虫館
伊丹市昆陽池3-1昆陽池公園内
TEL:072-785-3582
開館時間:9:30~16:30
休館日:火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日休)

Written by

最新情報を定期的に配信!

友だち追加

NEW POST最新記事

NEWSお知らせ

「みっけ」バルスタイルプロジェクト