公開日:2023年02月11日
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伊丹市昆虫館、館長の坂本です。
毎日寒いですが、無事にお過ごしでしょうか。
冬の間はなかなか虫を見ません。
しかし探せば真冬でも虫は見つかるし、冬ならではの虫もいます。虫がいた痕跡なども探しやすく、けっこう楽しいです。
ということで今回は、街なかでも見つけやすい虫の痕跡を紹介します。
それがこの写真です。
木にささくれがあって、しかもささくれは同じくらいの間隔で列になってならんでいます。見たことありますか?
これは「セミの産卵痕」なんです。写真の場所は昆陽池公園の道路沿い。このささくれの奥に、細長い卵が産み付けられています。これが今年産卵されたものではない可能性もあるんですけれど。
セミの多くは枯れた木の枝に産卵します。しかしあまり木の選り好みをしないようで、杭のような人工的なものにまで産卵します。
セミは市街地にも多いので、街路樹を支える木の杭などを探すと、産卵痕はわりと簡単に見つかります。固そうなのによく穴を開けられるなあと感心しますが、電線のケーブルにまで産卵することもあって、工場の人から昆虫館に問い合わせが来たこともあります。
わかりにくいけれど、これも産卵痕です。
もっとわかりやすいもの、列が長いものなどいろいろあります。
セミの種類によって、その年の秋に卵から幼虫がふ化する種と、翌年の春にふ化する種があります。伊丹によくいるアブラゼミやクマゼミは、翌年の春にふ化するタイプです。ふ化した幼虫は地面に降りて土に潜り、汁を吸うための木の根っこに取りついて、その後何年も土の中で成長します。
ということで、冬の昆虫観察ネタをご紹介しました。
ただのささくれですが、市街地で見つけるとちょっと嬉しいです。僕は。
(伊丹市昆虫館 坂本昇)
伊丹市昆虫館
伊丹市昆陽池3-1昆陽池公園内
TEL:072-785-3582
開館時間:9:30~16:30
休館日:火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日休)
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Written by 伊丹市昆虫館