公開日:2023年09月14日
毎年9月に伊丹市街地で開催している「鳴く虫と郷町」では、伊丹市昆虫館は鳴く虫の準備を担当します。
展示する約15種3,000匹のうち、里親さんや愛好家さんが繁殖してくださるスズムシと、イベント「初夏のキリギリスハンター」で幼虫を採集するキリギリス以外は、昆虫館のスタッフが野外で採集しています。
鳴く虫の種類は多様で、キリギリスのように背の高い草むらにいる種、コオロギのように地面を好む種など、生息環境も様々です。
暗くならないと鳴かず、しかも草むらの奥にいて昼間に網を振り回してもなかなか捕まらない虫は、夜に出かけて鳴き声を頼りに虫を見つけます。
そんな虫のひとつ、クツワムシの採集の様子を紹介します。クツワムシはキリギリスの仲間の大型の鳴く虫で、夜に「ガシャガシャガシャ……」と大きな声で鳴きます。
8月下旬の日没後、長袖長ズボン、帽子にヘッドライト、手には虫捕り網という出で立ちで挑みます。
耳を使って鳴き声がする場所を特定し、鳴きやんだり逃げられないように注意しながら、草むらの中を色んな角度から覗いたり、葉を慎重にめくったりして丹念に探します。鳴いている真っ最中のクツワムシを見つけたら「いたいたー!」と嬉しくなりますが、ここで逃げられては苦労も水の泡。
落ち着いて虫のまわりを確認し、網が入りそうなら虫捕り網ですくいます。草の間にいて網で捕れない場合は手を伸ばして素手で捕まえます。
なかなか大変ですが、声をたよりに探すのはドキドキして楽しくもあり、見つけて捕まえると、嬉しさもさることながら、今年も展示できるとホッとします。
足元が見えないような深い草むらでの採集は危険もあるので、僕たちはあまり奥深くに入らないよう気をつけています。足元の地面が見えないと、段差や穴などにつまずいて怪我をする可能性があります。また草むらの中にはトゲのある植物やアシナガバチの巣、ヘビなどの生き物もいます。みなさんも草むらに出かけるときには、十分注意してください。
(伊丹市昆虫館館長 坂本昇)
伊丹市昆虫館
伊丹市昆陽池3-1昆陽池公園内
TEL:072-785-3582
開館時間:9:30~16:30
休館日:火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日休)
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Written by 伊丹市昆虫館