公開日:2024年02月01日
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昨今、昆虫標本をつくったことのある人はどれくらいいるのでしょうか。
夏休みの宿題で標本をつくる子どもはほぼいないでしょうし、世間的にはとてもマイナーかつマニアックな作業になるのでしょう。
当館では展示用に、また収蔵資料用にと、標本作製が「通常」業務のうちのひとつとなっています。
標本は、「いつ、どこで、だれが採った」という記録を付けていれば、どのように整形しても自由です。しかしながら、筆者の担当する大型甲虫、とくにクワガタムシの標本は、展示にも多用するためなるべく左右対称に、ビシッとカッコよく整形するよう、心がけています。
画像1は、筆者が整形したクワガタムシの標本です。
記録紙片(ラベルという)を付けるための、標本自体の胸部に刺した1本を除き、整形用に使用した針は計52本でした。筋肉がかたまっているなど整形しにくい標本となると、整形用の針は100本を超えることもあります。
画像2のように、放射状に針を刺していることからかなり立体的で、標本のこのような整形時の姿を、筆者は針ネズミと形容しています。
画像3を見ると、跗節(脚先のツメがついている部分)と触角の間に針を1本刺していることがわかります。
この標本を真上から見て、「跗節が触角と重なって見えなくなることを避ける」技術と配慮が、筆者の真骨頂であり、自己満足でもあるわけです。ちなみにこちらはホンモノ、動物のハリネズミの体表には5,000本以上の針が生えているそうです。針ネズミとは桁が違いますね。
(伊丹市昆虫館 田中良尚)
伊丹市昆虫館
伊丹市昆陽池3-1昆陽池公園内
TEL:072-785-3582
開館時間:9:30~16:30
休館日:火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日休)
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Written by 伊丹市昆虫館