公開日:2022年11月07日
毎日見る月は、日毎に形が変わりますね。ところが、その日のうちに満月からだんだん欠けていき、やがてまた満ちていく月食という天文現象があります。
2022年11月8日(火)、伊丹では昨年に続き月食が見られます。
今回の月食は、東の空に満月が昇ってから約1時間後の午後6時すぎに月食が始まり、さらに約1時間後に皆既月食となります。この状態が約1時間半ほど続いた後、徐々に元の月の明るさを取り戻していき、午後10時前には満月に戻っています。
観察しやすい時間帯ですので、東の空が開けたところでご覧ください。
月の出 | 16時50分 | 月の高度0度 |
部分食の始め | 18時09分 | 月の高度15度 |
皆既食の始め | 19時16分 | 月の高度28度 |
食の最大 | 19時59分 | 月の高度37度 |
皆既食の終わり | 20時42分 | 月の高度45度 |
部分食の終わり | 21時49分 | 月の高度58度 |
太陽・地球・月が一直線上に並ぶとき、太陽に照らされた地球の影の中に月が入ると、影の部分が暗くなり月が欠けて見えます。これが月食です。月の一部分が欠けると「部分月食」となり、月の表面すべてが影の中に入ると「皆既(かいき)月食」となります。
皆既中は月がまったく見えなくなるのではなく、少し赤みを帯びて見えることもあります。地球の大気層を通過した太陽光が月を照らすためです。
11月8日(火)の伊丹での日没時刻は午後5時頃。同じ頃、東南東の方角に、満月が昇ってきます。その約1時間後、月食が始まり、午後7時15分頃、皆既月食となります。今回は皆既の状態が約1時間半ほど続き、午後8時40分頃から少しずつ本来の月の明るさを取り戻していきます。午後9時50分頃には、満月に戻ります。
刻一刻と変化していく月の姿を眺めるのは月食ならではの楽しみ方です。月を隠すのは地球の影なので、月の欠け際はくっきりしていません。10分おきに月の形をスケッチしていくのもよい観察記録になります。
月が欠けている姿を写真に撮って記録することもできます。比較的低空で起こりますので、風景と一緒にカメラやビデオで撮影してみるのもおもしろいでしょう。
皆既月食になると、少し赤みがかった丸い月となります。その明るさは月食ごとに異なり、時には姿が全く見えなくなるほど暗くなることもあります。大気中に含まれるチリなどの影響も受けやすいため、空の透明度を測る目安にもなります。今回はどんな姿を見せてくれるでしょうか。
今回の皆既月食では、同時にもうひとつ珍しい天文現象が起こります。太陽系第7惑星の天王星が、皆既中の月に隠されるという「天王星食」が見られます。日本で皆既月食中に惑星食が起こるのは、前回が1580年の土星食、次回が2344年のこれも土星食、ということですので、数百年間に1度あるかないかの天文現象ということになります。
とはいえ、伊丹市内からは天王星は暗すぎて肉眼では見えません。観察するには、双眼鏡や望遠鏡が必要となります。もし手元に望遠鏡をお持ちの方は、天王星を見るチャンスです。
当館では、ITAMI ECHOさんの全面協力のもと、オンライン中継を行います!
2022年11月8日
18時〜21時(予定)
雨天中止
当館屋上より、望遠鏡による月食と、天王星食の映像を配信します。
(丸川章(伊丹市立こども文化科学館))
〒664-0839
兵庫県伊丹市桑津3-1-36
TEL:072-784-1222
Written by 丸川章(伊丹市立こども文化科学館)