公開日:2023年04月11日
4月23日(日)開催の本のイベント、いたみサン・ジョルディの日に向けて準備をしています。
準備をしながら、バレンタインデーにチョコレートを贈ったり、母の日にカーネーションをプレゼントしたりは恒例行事となっていますが、本を贈る習慣というのはまだ身近じゃないのかな?と思いました。
本を贈るってちょっとハードルが高いのかも?
そこで本棚から今までわたしがいただいた本を取り出してきてみました。プレゼントとして本を選ぶときのポイントをご紹介してみます。
昔から愛されているいわゆる「名作」と呼ばれる本は、装丁が変わって何度も出版されるものが多いです。
これなら内容はすでにわかっているので、「あんまり好みじゃないかも?」という心配はないので安心。今までのものとは違うので新しさもあってプレゼントにもばっちり。
好きな本の内容を察してプレゼントなんて難しい!という方には、ぜひこちらの方法をおすすめします。
例えば以前にわたしがいただいた本では、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。
清川あさみさんの刺繍で表現された『銀河鉄道の夜』のうつくしさが溢れるような1冊です。
教科書にも掲載されていますし、知らないひとがいないくらいの名作ですが、熱烈なファンの多い作品でもあります。
そんな本は旬のアーティストが装丁や挿絵を担当して新たに出版されることがあるので、これは贈り物にぴったりですね。
文章は見知ったものでも、装丁が変わっているとコレクションのひとつとして、手元に置いておきたくなるのが本好きなひとの性。
名作や古典で探してみると、たくさんのバージョンが見つかるのでおすすめです。
「好き」「ありがとう」「感謝しています」。こんな言葉はちょっと面と向かって言うのが気恥ずかしいもの。
そんなときも本を贈るチャンスです。
過去のことすぎて忘れていましたが、以前もらった室生犀星の『愛の詩集』はそんな思いのあったタイトルかもしれません。
詩集や絵本などはストレートなタイトルのものが多いです。
1冊を最初から最後まで読み込まなくても、ぱらりと中身を見るだけでメッセージ性が伝わりやすいのもプレゼントにおすすめな理由です。
これはだいぶ古い本ですが、古本というのも独特のたたずまいがあっていいです。
そのへんの本屋さんでは買えない希少性が「あなたのために手に入れました」というメッセージを伝えてくれる贈り物になりそうです。
新生活を始めるひと、今までの場所を離れて旅立っていくひと、まさに「春は出会いと別れの季節」ですね。暮らしや環境が変わるひとも多いと思います。
わたしもそんな春に贈ってもらった本があります。
2年前にわたしが子どもを保育園に預けて働き始めたとき、先輩ママでもある上司からもらったのがこの絵本。
エヴァ・モンタナーリの『きょうからほいくえん』。
初めて保育園に行くことになったわにの子の1日を描いた作品です。
親子とも戸惑いながら初めての保育園に行く様子は、当時のわたしたち親子のようで、まさに状況にぴったり合った本を贈ってもらったのでした。
久しぶりにこの絵本を広げると、わっといろいろなことを思い出しました。
今ではすっかり保育園に慣れて、朝もすたすた教室に入っていく3歳の息子だけど、行き始めは毎朝この子みたいに泣いていたこと。
毎朝、家の玄関を出たところから「ぜったいにむかえにくる?ぜったいに?」と必死に聞いてくるので、お隣のおばあちゃんに「ぜったいくん」と呼ばれて笑われていたこと。
そんなことが本をひらくとわっと思い出されて。
普段は忙しくて思い出さないような記憶のかけらが、贈られた本をひらくと、プレゼントしてくれたひとの顔と共に思い出されます。
いたみサン・ジョルディの日がそんな本の贈り物のきっかけになれたらうれしいなと思います。
Written by なみま