公開日:2022年10月10日
数ある音楽フェスの中でも、「GREENJAM」の存在感はとても大きい。
「いつかグリーンジャムに出てみたい」
「来年は絶対にグリーンジャムに出るぞ!」
と夢見る若いミュージシャンたちも、たくさんいるとか。
かくいう私も、10年以上の月日をかけて色々な音楽フェスや地域のイベントに出演してきたけれど、GREENJAMだけはなんだか特別な空気を纏っている、そんな気がしている。
今年は開催地を伊丹市から池田市に移し、台風の影響で1日だけの開催になったものの、信じられないくらいの炎天下の中、小学生の夏休みくらいの日焼けをしながらたくさんの大人たちが頑張っていた。そんなGREEJAM2022を、音楽ステージに出演したミュージシャン目線でレポートしてみようと思う。
なんといっても、台風問題が大きかった。
数時間おきにスマホを見ては、台風の位置や大きさを確認するも、数時間ではそんなに変わらない。
とはいえ、GREENJAM側からの情報提供がとても素晴らしく、各種SNSアカウントで毎日台風情報や雨の予報をシェアしつつ「やるの、やらないの?どっちなの?」という各方面の不安な気持ちに応え続けていた。さすがすぎる。
当然「1日目は開催、2日目は中止」という決断も早かった。さすがagain。
もちろん、この情報発信を怠ると各方面からの問い合わせが溢れかえってしまい、台風よりも激しい嵐が巻き起こるので、絶対に手を抜けなかったはずで、運営の皆様やSNS更新担当の方々には全力で「おつかれさま」と伝えたい。
一方で、私はTwIn HaTs-ツインハッツ-という、サックスとギターのユニットで活動している。
このサックスという木管(もっかん)楽器に、雨は大敵すぎる。
トランペットやトロンボーンなら、たとえバケツをひっくり返したような土砂降りの中でも演奏し続けられるし(何ならお風呂につかりながら吹いてもいい)、本人の足腰さえ強ければ、台風直撃の暴風雨の中でもギリ大丈夫かもしれないが、サックスやクラリネット、フルートという楽器は繊細なので、たとえ小雨でも楽器がダメになってしまう。
この世には「少々の雨ならいけるよ」系ミュージシャンと、「一滴も濡れたくない」ミュージシャンの2種類が存在することを、これを機会にお伝えしておきたい。
とにかく暑かった。
飲食ブースはかき氷や飲み物屋さんに長蛇の列ができていて、唐揚げやポテトは瞬殺で買えた。
「演奏前にからあげなんて食べちゃうの?」と口で言ってみただけで、パクパク食べた。
ギターの相方はついでにポテトも頬張っている。
夏に屋外で催される音楽フェスに出演するときは、
・日差しがどちらから来ているか
・風があるのかないか
この2つの条件が、演奏のパフォーマンスを大きく左右する、と私は考えている。
正面から日差しが来ていると、まぶしさのあまり終始眉間に皺を寄せて「五木ひろし」ばりの表情でお届けすることになってしまうので、写真に撮られたときに全然映えない。
そして風に関しては、日差しや気温、湿度の高さがどれだけキツイ条件でも「ビュン」と風が吹くだけで救われる。色々なことがリセットされる。
今回のGREENJAM2022は、日差しの角度も風も完璧だった。
ありがとう猪名川公園。ありがとう、BOTAFES&命の渚ステージ。
見ず知らずの人たちが一つの場所に介して、各々の楽しみ方でローカルイベントを味わう。
この日、この場所でGREENJAMを開催するために奔走した人たち、ステージを作ることに没頭した人たち、来られたお客さんたちを楽しませる側の人たち。
そして、音楽を聴いて体を揺らす人、ワークショップに参加して子どもたちとの経験を味わう人。
とにかく飲みまくって食べまくる人。
いろんな人たちがそこにいて、みんな笑っていた。最高すぎる夏の終わり。
まだまだ窮屈なことも多いけれど、エンターテイメントは人生に必要不可欠な要素だと、ステージの上から改めて感じたGREENJAM2022に乾杯。
サックスとギターのアコースティックユニット(TwIn HaTs-ツインハッツ-)を主宰。
大阪出身・伊丹在住。普段はイラスト制作・デザイン業を手掛けながら、働く医療従事者に向けたメディア運営を生業にしている。好きなビールはアサヒ。好きな餃子は京都王将。
Written by Miwa Ueda