公開日:2022年09月25日
天が高く感じる秋。
じめりとした湿気が少しずつ取れて、過ごしやすい季節がやってきた。
伊丹で生まれ育った私は、空を見るクセが自然に身についているように思う。
見上げれば、いつも飛行機が飛んでいるからだ。
「あれ、今日はなんか飛行機近くない?」
「プロペラ機、久々やなぁ」
「鬼滅の刃じぇっと飛んでるで!」
青空の中の轟音にふと目をやって、家族や友人とそんな会話を交わすことも、伊丹に住む人々にとっては日常のはず。
子どもの頃から身近にあったその大きな鉄の塊に初めて乗ったのは、高校の卒業旅行で沖縄に行った時。
小さな窓の中のジオラマみたいな街並みに、見慣れた家々や母校のグラウンドがくっきりと見えた時には、この上なくワクワクした。
これも、飛行場のあるまちに住む特権かも知れない。
こうして、毎日、飛行機が行き交っているからなのか、伊丹の空は他のまちよりも広い気がするのだ。
猪名川河川敷で空を見上げていると、なんだか空をひとり占めしたような気分にさえなれる。
そこに、飛行機のエンジン音が語りかけてくる。
今は、伊丹スカイパークやエア・フロントオアシス下河原といった、滑走路が間近で見られる公園もきれいに整備されて、ファミリーで賑わう場所となった。
(伊丹スカイパークのキャッチコピーは「空と遊ぶ!公園」)
飛行機を撮影するアマチュアカメラマンも多く訪れる。
そこにいる人たちは自然と、同じ時間に同じ空を見上げて共有している。
そういうのって、素敵じゃないか。
きっと、伊丹の人たちは飛行機雲を見つけるのも得意なはず。
この広い空も、伊丹の魅力として知ってもらえたら嬉しいかぎりだ。
写真提供:@ai_himawari_moa(Instagram)
Written by Wakako Niikawa