公開日:2024年04月01日
今年も「いたみサン・ジョルディの日」がやってきます。
古本や薔薇の花のマルシェ、スペインの伝統菓子やワインなどを楽しめて、カタルーニャ風の休日を過ごせるのもこのイベントの醍醐味なのですが、逃してはいけないのが「ブラインドブックス」!
わかりやすいように「ブラインドブックス」=「目隠し本の交換」という言葉を使っていますが、ただの交換ではありません。
自分の読んだ本を手放す前、最後に一度向き合って、それを誰かに伝える。自分も誰かのメッセージを受け取って、新たに本を1冊選ぶ。
サン・ジョルディの日のメッセージである、「贈る、贈られる」という行為を本を通じて見知らぬだれかと体験するイベントなんです。
持ってきた本はサン・ジョルディの日の特製ラッピングで覆われ、目隠しされます。これに自分で本のキーワードやメッセージを書きます。
自分の持ってきた本なので、当然内容は知っています。馴染みの本でしょう。
でもその本に「この本を読んでみて」とだれかに向けてメッセージをつけるとき、はたと手がとまったりします。
目隠し本なので、当然タイトルや著者名は秘密です。本のデザインも見えません。普段、ひとに本をすすめるときは、「〇〇っていうタイトルで××が書いているんだけど……」とタイトルや著者の説明から入ると思うのですが、このふたつは書けません。
また、贈る相手もわかりません。「このひとならこういうところに惹かれそう」というのもわからないのです。
そうすると、自分がどう感じたか、どういうひとにおすすめできるかということを考える、本との対話の時間が生まれます。
この時間を通じて、持ってきた本はメッセージとともに誰かに選ばれるのを待つのです。
目隠し本をセットしたら、次は本を贈られる番です。
広場のラックにずらりと並んだ本のメッセージやキーワードを見ながら、自分が手にとりたい本を選びます。
これがとても楽しい!自分の気持ちや、どんな本を持って帰りたいかということを考えながら、他のひとが書いたメッセージを読んで考えます。
本を選ぶ手がかりは、だれかが書いたメッセージだけ。気になる本はちょっと検索したら内容や感想ですぐネタばれする時代に、数行のメッセージだけで新しい本を持って帰ることになります。限定された情報で選ぶどきどき感。
ラッピングを剥がして選んだ本を開けたときの感想はさまざま。
「こんな本読んでみたかった!」「この本自分では絶対に選ばなかった!」という感想も、ブラインドブックスならではのこと。
広場で選んだ本を開けていると、「それわたしが持ってきた本なんです」と声をかけられたり。
見知らぬだれかから本を贈られる不思議な体験も、この日だけのこと。
「いたみサン・ジョルディの日」ならではの本とのコミュニケーションを楽しんでもらえたらと思っています。
宮城県の活版印刷工房、毛萱街道活版印刷製本所で今年も「いたみサン・ジョルディの日」特製のギフトカードをつくっていただきました。これをブラインドブックスに参加の先着50名さまにプレゼントします。
2024年の限定デザインで、活版印刷のたたずまいがうつくしいカードです。本はもちろん、他の贈り物にメッセージを添えたいときにも使っていただけます。
4月21日(日)、三軒寺前広場でお待ちしています。
自分には役目を終えた本、だれかに贈りたい本を本棚から探して「書を持って、街へ出よう」と4月の三軒寺前広場に来ませんか。
イベント当日は1日中開催しているのでいつ来ていただいてもOK!
昨年の様子はこちらから。
今年もサン・ジョルディの日のモチーフ、赤い薔薇の蝋で飾った本を並べてみなさんをお待ちしています。
「いたみサン・ジョルディの日」ブラインドブックス
日時:
4月21日(日)10時から16時
場所:
三軒寺前広場(クロスロードカフェ前)
伊丹市中央3-2-4
(JR伊丹駅と阪急伊丹駅を結ぶ道の真ん中に位置する広場)
費用:
本の交換は300円、本を持ってきていない方も500円でブラインドブックスに参加できます。
Written by ITAMI ECHO編集部