<全席完売>特集|帰って来た!伊丹市民オペラ~第36回定期公演『アイーダ』(1月23日開催)[前編]

公開日:2021年12月25日

2022年1月23日(日)に、第36回伊丹市民オペラ定期公演『アイーダ』が開催されます。伊丹市民オペラの定期公演は2019年3月以来、3年ぶりの開催となります。
※チケットは全席完売しました

伊丹市民オペラは、プロの音楽家と伊丹市民オペラ合唱団、伊丹シティフィルハーモニー管弦楽団等による本格的なオペラ公演です。地名を冠するオペラ公演は多数ありますが、市民が合唱団に参加し、プロのソリストと共演する「市民オペラ」形式は国内でも少なく、その中でも伊丹市民オペラは長い伝統を誇っています。

1985年11月の第1回公演以降、阪神淡路大震災の年を除いて毎年度開催されてきましたが、第34回公演(2020年3月)と第35回公演(2021年1月)は新型コロナウイルス感染症の影響により中止となってしまいました。

ITAMI ECHOでは、伊丹市民オペラの関係者の方々が2年ぶりの定期公演に向けて準備する様子などを取材し、前編・後編に分けて記事をお届けします。

まず前編では、今回の定期公演『アイーダ』の概要、演出家の井原広樹さんのメッセージ、合唱団の練習風景についてご紹介します。

後編では、伊丹市民であり、長く伊丹市民オペラに関わってこられて、現在、演出助手を担当されている籔川直子さんにお話しを伺いましたので、その模様をお伝えします。

第36回定期公演『アイーダ』

『アイーダ』は、イタリアオペラの巨匠ヴェルディの作曲による、古代エジプトを舞台にした異国情緒たっぷりの時代絵巻です。エジプト軍の凱旋の場で演奏される「凱旋行進曲」のメロディーは、日本ではサッカーの応援歌としてもポピュラーです。

『アイーダ』は、1871年のエジプト・カイロのオペラ座での初演に成功し、翌年のミラノ・スカラ座での公演でも市民から熱狂的に迎えられたそうです。現在でも、欧米では夏の夜に開催される野外オペラ公演の人気演目であり、世界中で愛されているオペラです。

あらすじ

ファラオ時代の古代エジプト。エジプトの王女アムネリスに仕える奴隷アイーダは、実は敵国エチオピアの王女ながらも若きエジプトの将軍ラダメスと密かに愛し合っていた。戦いはエジプトの勝利に終わるが、捕虜の中に紛れていたアイーダの父でエチオピア王アモナズロの策略により、ラダメスは軍の機密情報を洩らしてしまう。さらにその現場を、ラダメスを想っているアムネリスが目撃しており……。

(第36回伊丹市民オペラ定期公演チラシより引用)

指揮:加藤完二
演出:井原広樹
合唱指揮:岩城拓也

CAST:
アイーダ役 白石優子   
ラダメス役 藤田卓也
アムネリス役 西原綾子
アモナズロ役 桝貴志
ラムフィス役 片桐直樹
エジプト国王役 服部英生
伝令役 小林峻
巫女の長役 中原加奈

管弦楽:伊丹シティフィルハーモニー管弦楽団
合唱:伊丹市民オペラ合唱団
バレエ:平野節子バレエスクール

演出家 井原広樹さんからのメッセージ

伊丹市民オペラの演出を担当される井原広樹さんから、今回の特集記事のために、熱く力強いメッセージをいただきました!

コロナ禍の中、伊丹市民オペラは一昨年度の公演を本番直前に、中止せざるを得ない状況となりました。昨年は、コロナに負けるな!を旗印に復活のガラ・コンサートを実施、その灯火、先輩方の残されたこのグループを今後も継続させ、次の世代に繋げる決意を表しました。今年度の公演は、感染症対策に対応した形を取りつつ、素晴らしいキャストを迎え、伊丹の合唱、オーケストラの皆さんと、中断していたアイーダの公演をやり遂げる覚悟です。オペラの中のオペラとも言えるこの作品は、困難な中にも、生きる希望を見出そうとする登場人物が、様々な形の愛を具現化しながら、物語を展開します。

昨年から多くの公演が中止となり、現場から多くの仲間が去る事となりました。とても困難な状況の中、しかし様々な事を振り返る時間は少なくありませんでした。我々は、複雑な存在です。美しい夢を追う力も持ちながら、同時に破壊的な悪夢も描くからです。途方に暮れ、孤独だと感じています。でも私たちは、気がついたのです。孤独を癒してくれるのはお互いの存在なのだと。この試練が我々をより強く鍛え、これからの生きる力となる事を信じて止みません。

井原広樹

井原さんや関係者の皆さんの芸術に生きる覚悟が灯火のようにきらめいているようで、メッセージから熱量が伝わってきますね! どのような公演になるのか楽しみです。

伊丹市民オペラ合唱団の練習風景

今回は2年ぶりの開催とはいえ、感染防止対策のための様々な制約があり、出演者が集まっての練習回数も限られたとのこと。そんな中、伊丹市民オペラ合唱団の練習風景を取材させていただきました。

11月初旬の夜、練習会場の伊丹アイフォニックホール・メインホールに入ると、約70名の合唱団の皆さんが客席側に座っていました。皆さんは分厚いスコア譜を開き、ステージ上の一点、合唱指揮の岩城拓也さんを見つめ、指示を一つも聞き漏らすまいと真剣な面持ちです。

岩城さんが、例えば「ここは、ハラワタが煮えくり返るような気持ちを込めて」というような劇中の心理描写や、四声に分かれた各声部の歌い出すタイミング、強弱をダイナミックに表現する歌い方など、次々と指示を出していきます。

また、たった1台のピアノ伴奏(担当:伊原敏行さん)で、オーケストラに成り代わって各場面の音楽や雰囲気全体を再現していることにも驚きました。そうして、指揮と伴奏にリードされながら、徐々に合唱が表情豊かに変化していく様子を間近で見学させていただきました。

合唱団参加者の声

練習後、合唱団に参加された方々から何人かに、参加のきっかけや伊丹市民オペラへの思いなどお話を伺いました。いくつかピックアップしてご紹介します。

伊丹市民の参加者(男女数名)

参加のきっかけは、伊丹市の広報で市民オペラ合唱団の募集情報を見たことです。大学の時に少し合唱をしていたので、また歌いたいと思いました。オペラはここが初めてで、気軽に参加したのに、今は先生に習ったり、コンクールに出るようになったりしています。もっと上手くなりたいです。

もともとオペラを全く知らなくて、伊丹市民オペラという活動があることも広報で初めて知りました。素人でも丁寧に指導いただけて、音楽練習を経て舞台に立ってみると、それがまた楽しくて、それからオペラにぐんとのめり込んでいます。

今日の練習でも、岩城先生のご指導で沢山の気づきがありました。こういう風に歌うんだ、ということが分かると、歌が生き生きしてきます。

この合唱団は毎年参加者を募集しますが、伊丹市内や近隣市から継続して参加しているメンバーも多く、経験が積み重ねられて年々良い公演になっています。初めての人でも、もし関心があれば「プレ音楽練習」という機会に来たら丁寧に教えてもらえます。何も分からないところからでも良くて、イタリア語の歌詞にも読み仮名を書いてくれます。

高校~大学時代はバンドでボーカルをしていて、社会人になっても歌を習っていました。オペラの知識は無かったけど、なんとなく声楽やオペラへの憧れはありました。たまたまアイフォニックホールが自宅から徒歩圏内で、通りかかった時にオペラ公演があることを知り、2018年に初めて『セビリアの理髪師』を観て感動ました。そのときに市民の方も出演していると知って、面白そうだと思い、その場で翌年の合唱団に参加を申し込みました。市外であれば家庭都合もあって通えないけど、近所でオペラに参加できて良かったです。

伊丹市外からの参加者(女性2人)

堺市から来ています。もっと遠く、宇治市から参加されている方もいますよ。声楽の経験はなく素人ですが、オペラが好きで通っています。兵庫県は文化レベルが高くて、各地でオペラ公演をされていますが、特に「市民オペラ」というものに興味があります。商業的なオペラ公演と違い、その街に暮らしている方々が参加しているということが魅力で、こうした取り組みに共感しています。

伊丹市民オペラはどこよりもクオリティーが高く、伊丹で出演したいという気持ちが強かったんです。チケット販売に困る公演も多い中、伊丹市民オペラはチケットが早くに完売するからすごいですね。コロナ禍によりあちこちで公演中止が続きましたが、こうして公演をされていることが素晴らしいと思います。舞台からお客さんにエールを届けたいという思いで参加しています。

伊丹市民で、これまで伊丹市民オペラにもご出演され、また伊丹市民オペラ実行委員としても活動されているソプラノ歌手の森川華世さんからもお話を伺うことができました。

森川華世さん

コロナ禍で公演中止が続いたことは皆さんとてもショックで、今回も何度も慎重に議論しながら準備を進めているところです。新しい形でオペラを見ていただけるのではないかと思い、楽しみにしています。

合唱団の方は、最初から岩城さんのレベルにはついていけなくても、声の発声から練習していくので安心して始められますよ。最初は楽譜が読めなかった人でも、私が担当している「プレ音楽練習」という講座に参加いただいて基礎を作ってから、岩城さんとの練習へと送り出します。そうしてオペラに初めて出演した方が、「これまでこんなに大変なことはなかったけど、こんなに嬉しいこともなかった」と言ってくれたことが本当に嬉しかったです。

こうして市民の方々が次々と育っていて、関西オペラ界の合唱の世界で引く手あまたとなって活躍されています。

演出家の井原さんが本当に素晴らしいです。井原さんがとにかく熱い方なので、皆さん大変だけどついていきます。伊丹は、身近にこんな本格的な市民オペラがあるということがすごい。一回ご覧いただけたら、そのすごさが分かります。大都市は別として、こんなに長く市民オペラが続いているところは本場イタリアにもなかなかないので、ぜひ大切にして続けていきたいと思います。

今回の取材で、伊丹市民オペラ合唱団の練習を見学させていただき、参加者の皆さんからお話も伺い、公演を観るのとはまた違った角度から伊丹市民オペラの熱量に触れることができました。

合唱団に参加する方は、もともと声楽を専門に学んでいた方ばかりかと思っていましたが、全くの素人でしたとおっしゃる方も多く、伊丹市民にとっては本格的なクラシック音楽への入口として貴重な機会となっていることも理解できました。中には、お仕事の量を調整して、本格的にオペラの世界へと軸足を移される方もいて、伊丹市民オペラに参加して人生が大きく変わったと感慨深くお話されていました。

参加者の皆さんの声を聞いて伊丹市民オペラ合唱団にご関心を持たれた方は、気軽に一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

次回、後編は演出助手の籔川直子さんへのインタビューをお届けします。お楽しみに!

開催概要

第36回伊丹市民オペラ定期公演
G.ヴェルディ作曲『アイーダ』(全4幕 イタリア語上演・日本語字幕付)

公演日

2022年1月23日(日)
14:00開演(13:30開場)

会場

東リ いたみホール(伊丹市立文化会館)
伊丹市宮ノ前1-1-3

入場料

※全席完売しました

【前売】
S席:5,500円、A席:5,000円、B席:3,500円 ※全席指定

【当日】
各500円増
※前売でチケット完売となった場合、チケットの当日販売はありません

【いたみっこ席】
1,000円(前売・当日共)
※伊丹市在住在学の小中高生対象、数量限定
※窓口でのみ取扱い(購入時に学生証等を要提示)

チケット発売所

伊丹アイフォニックホール事務所
9:00〜(初日のみ電話申込13:00〜)
※電話申込後、郵便振替がご利用可能です。詳しくは公式サイトで確認ください。

お申し込み・お問い合わせ

伊丹アイフォニックホール(伊丹市立音楽ホール)
TEL. 072-780-2110(水曜日休館)

主催・共催

主催:伊丹市民オペラ公演実行委員会・公益財団法人いたみ文化・スポーツ財団
共催:伊丹市

伊丹市民オペラからのお知らせ

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伊丹市では「伊丹が好き」「伊丹市を応援したい」という想いを寄附という形でお受けする『伊丹市ふるさと寄附』を募集しています。返礼品として、伊丹市民オペラ定期公演のA席ペアチケットを選択可能です(数量限定、申込は12月31日まで)。詳細はこちらをご覧ください。


特集|帰って来た!伊丹市民オペラ~第36回定期公演『アイーダ』(1月23日開催)[後編]に続く

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