歌い続けて半世紀【第1話】〜伊丹市少年少女合唱団 設立50周年記念特集〜

公開日:2019年10月23日

【第1話】昭和から令和まで、時代を超えて響く心のハーモニー

今年、伊丹市少年少女合唱団が50周年を迎えたことを知っていますか?

昭和44年(1969年)に伊丹市直営の合唱団として設立され、今年(2019年)でなんと半世紀(!)も活動を続けている、歴史ある合唱団です。

ITAMI ECHOでは、半世紀に渡り、伊丹市内はもとより全国各地で(時には海外でも!)美しいハーモニーを響かせ続けてきた伊丹市少年少女合唱団の活動をより多くの市民のみなさんに紹介し、記念すべき50周年を一緒にお祝いしたいと考え、同合唱団のご協力を得て、数回に分けて特別企画記事をお届けします!

伊丹市少年少女合唱団のプロフィール

それではまず、伊丹市少年少女合唱団とはどんな団体なのか振り返ってみましょう。

昭和44年(1969年)、「合唱を通じて豊かな情操を養うとともに、異年齢集団の中で社会性や協調性を育むこと、子ども文化の創造を図ること」を目的に、伊丹市直営の合唱団として設立されました。平成28年(2016年)からは、伊丹市の運営から自主運営団体に移行し、市の支援を受けながら、団員の保護者らでつくる育成会が運営を行なっています。

団員は、伊丹市内在住の小学3年生から高校3年生までの61名(小学生23名、中学生22名、高校生16名)で構成され、「歌は心のハーモニー」をモットーに、現在は団員出身の音楽指導者(合唱指揮2名、ピアノ伴奏2名)とともに、アイフォニックホールを本拠地として活動しています。

伊丹市少年少女合唱団の本拠地、アイフォニックホール

毎週土曜日午後の練習を基本とし、夏冬の合宿や、定期演奏会前には平日夜の練習も行います。毎年3月に開催する定期演奏会を中心に、各種合唱祭への出演や、地域貢献の一環として市内のイベントにも多数出演しています。昨年度は29年ぶりに伊丹市民オペラにも出演。大舞台でプロのオペラ歌手と一緒に美しいハーモニーを披露しました。

第41回定期演奏会 2019年3月17日(日)の集合写真。合唱ミュージカルとして上演した「アラジン」の衣装で。(前から2列目には、ゲスト演奏で出演したウミネコ楽団、指導者、卒団生も)

3月の定期演奏会では、ハイレベルな合唱曲に挑戦して日頃の成果を披露するだけでなく、高校2年生が中心となって台本制作や配役、演出、ダンスの振り付け、衣装、大道具・小道具などを一から作り上げるミュージカル作品の上演が伝統になっていて、1年間の活動を華やかに締めくくります。

伊丹市少年少女合唱団 公式ウェブサイト(50年間の沿革など詳しい情報を掲載)

伊丹市少年少女合唱団 公式ブログ(日々の活動記録を投稿)

半世紀という長さ、想像できますか?

さて皆さん、設立50周年=半世紀とうことですが、この歴史的とも言える長さ、想像できますか?合唱団が設立された昭和44年(1969年)はどういう年だったのか、一緒に振り返ってみましょう!

時代は高度成長期の真っ只中。大阪万博(1970年開催)を目前に控えた1969年2月には、伊丹空港(大阪国際空港)に、当時は東洋一と称された現在の空港ターミナルビルが完成します。同4月には、空港の滑走路の下を通る地下道(飛行場線)が開通しました。

その前年(1968年)の11月には、阪急伊丹駅の新駅舎(後に1995年の阪神・淡路大震災で倒壊)が移設オープンしています。次々と交通インフラの整備が進められる中、市内では交通事故が多発し、今では聞き慣れない「交通戦争」という文字が新聞に踊りました。

また、伊丹市では阪神間のベッドタウンとして人口が急増。兵庫県内有数のマンモス校となった伊丹小学校、南小学校の児童を分散させるため、1969年4月には有岡小学校が開校しました。その後も、市内には続々と小学校が新設されていきます。

こんな建設ラッシュに沸き返る伊丹市で、1969年5月30日に伊丹市少年合唱団(後に「伊丹市少年少女合唱団」と改称)が設立されました。折しも、数々の文化人・音楽家を輩出してきた阪神間では、1961年に設立された西宮少年合唱団を皮切りに、数々の市民合唱団が設立された時代です。そんな風に乗って、伊丹市でもハード(=インフラ)だけではない、ソフト(=文化)の充実が求められたのでしょうか。

昭和44年(1969年)11月15日発行の「広報いたみ」には、5月に生まれたばかりの伊丹市少年合唱団のデビューを紹介する記事が掲載されています。(記事の画像は、トリミング等により一部を加工)

晴やかにデビュー 伊丹市少年合唱団

ことし五月三十日に生まれた少年合唱団は団員四十九名で毎月二~四回の練習にはげんできましたが、今月二日の第四回市民合唱祭にはじめて市民の前でその成果を発表しました。

あざやかなコバルトブルーと白色のセーラー服をアレンジしたユニホームには、左の腕に赤と黄色の団章をつけ、そのスマートな姿にみなさんから「カッコイイ」とおほめをいただいています。

(後略)

白黒写真では、残念ながら実際にどんな色だったのかは分かりませんが、ベレー帽や個性的なデザインの「スマートな姿」を見て、市内の子どもたちが憧れを抱いたのでは?と想像してみたくなります。現在の制服(女子)も、白とブルーを基調にした爽やかなデザインですので、初代の制服の伝統を受け継いでいるかも知れませんね。

記念すべき初出演の曲目は、「モーツアルトのセレナーデ」「グルーベルの歌えば楽し」など4曲とありますね。めまぐるしく変化する伊丹のまちに、どんな歌声を響かせていたのでしょうか?

現在の合唱団の活動は?

さて話を現在に戻して、伊丹市少年少女合唱団の今年度の活動計画を見てみましょう。

<平成31年/令和元年度の予定>

4月13日(土)
入団式

4月27日(土)
菱本先生を偲ぶ会

6月9日(日)
兵庫県合唱祭

8月1日(木)
平和コンサート(中央公民館)

8月23日(金)
兵庫県児童合唱祭(兵庫県たつの市)

9月14日(土)
イオンモール伊丹17周年記念Thanksステージ

10月27日(日)
きらら秋の音楽会(きららホール)

11月23日(土)
ウィンド シンフォニー オーケストラmeetsオリンピックコンサートinいたみ

11月24日(日)
クリーンランドフェスティバル

12月1日(日)
伊丹市民合唱祭

12月7日(土)
市立伊丹病院ロビーコンサート

1月19日(日)
PRAY FROM KOBE~明日につなげるコンサート~

1月25日(土)
見学会

3月22日(日)
設立50周年記念 第42回定期演奏会

3月28日(土)
卒団式

スケジュールがびっしりですね!中央公民館、きららホール、市立病院、クリーンランドなど、市内の公共施設でのコンサートも多く、地域貢献に熱心に取り組んでいることが分かります。

さっそくITAMI ECHOでは、9月14日(土)にイオンモール伊丹の17周年記念として開催された「Thanksステージ」に出演した合唱団の様子を取材させていただきました!

(リポーターは、今回がITAMI ECHO初登場(!)の、おかき@ECHOです)

リポート:「イオンモール伊丹17周年記念Thanksステージ」出演

伊丹市内のあちこちで虫の声が響く9月14日(土)、伊丹市少年少女合唱団の歌声を聴きにイオンモール伊丹へ娘2人(小2と幼稚園年中)を連れて行ってきました!

土曜の夕方のイオンモールということもあり、会場となったトイザらス前の「エンターテイメントコート」に用意された座席が足りないほど多くのお客さんが集まっていました!ステージが見える吹き抜けの2、3階部分でも老若男女たくさんの方が楽しんでいましたよ。

今回、合唱団が披露した曲目は以下のとおり。

♪手のひらを太陽に
♪希望の歌(「ひざっこぞうのうた」より)
♪ひざっこぞうのうた( 〃 )
♪ありがとう野菜( 〃 )
♪ぜんぶ
♪いのちの歌
♪光の神様

合唱団のコンサートを聴くのは、私も娘たちも初めて。娘たちがどう感じるかな?楽しんでくれるかな?と思っていましたが、とても明るく元気な歌声を響かせる合唱団のみなさんの姿に「この歌知ってる~!」と一緒に口ずさんでみたり、手拍子でリズムをとってみたり、とても楽しく過ごすことができました。

特に、身振り手振りを加えた「手のひらを太陽に」や「ありがとう野菜」がとても楽しかったようで、帰り道でも「ありがとう野菜」に出てきた野菜の名前を姉妹で言い合いっこしていたほどです。

また、歌いながら掲げていた野菜の絵がとても鮮やかで、目でも楽しめるステージでした。

はじめて聞いた歌なのに絵で出てきた野菜をすぐに覚えてしまうなんて本当に楽しかったのだと思います。

私は「ぜんぶ」や「いのちの歌」という曲、それからウミネコ楽団さんが作曲したという「光の神様」という曲の美しい歌詞やメロディ、歌声に聴き入り、とても感動しました!

ショッピングモールでのコンサートだから、店内のいろんな音や声が気にならないかな?と気にしていたのですが、そうした騒音が全く気にならないほど、歌の世界に入り込むことができ、本当に素敵な空間でした。合唱団のみなさんがキラキラした表情で歌っている姿がとても印象的で、こちらも嬉しくなりましたよ!

私自身、コーラス部だった時のことを思い出したり、まだまだ子育てや家事にバタバタしているけれど、また歌ってみたいなぁ、大好きなコーラスをやってみたいなぁという気持ちを思い起こすことができました。娘2人にも、お母さんは小さいころから歌うことが大好きなんだよ~と話すこともできました。

伊丹市少年少女合唱団のみなさん、本当に素敵な時間をありがとうございました!

(おかき@ECHO)

設立50周年記念の定期演奏会に向けて

さて、10月以降も合唱団の出演はまだまだ続きます。直近では、10月27日(日)に「きららホール」で開催される、恒例の「きらら秋の音楽会 ~響け心のハーモニー~」に出演します。

<きらら秋の音楽会 ~響け心のハーモニー~>

日時:10月27日(日)13:30開場、14:00開演(約1時間)
会場:伊丹市北部学習センター「きららホール」(伊丹市北野4丁目30)
出演:伊丹市少年少女合唱団、いたみキッズハーモニーの2団体

入場方法
要整理券(無料)
※10月5日より、きららホールにて整理券配布

また、令和2年(2020年)3月22日(日)にアイフォニックホールのメインホールで開催される「第42回定期演奏会」では、設立50周年記念の特別ステージとして、現役の団員と卒団生の合同合唱が披露されます。長らく合唱団を率いてきた、故 菱本清子先生のライフワークとして取り組んできた、作曲家 湯山昭氏の曲が盛大に歌われるとのこと。これは期待できそうですね!

<伊丹市少年少女合唱団設立50周年記念 第42回定期演奏会>

日時:令和2年3月22日(日)13:30開場、14:00開演
会場:アイフォニックホール メインホール(伊丹市宮ノ前1丁目3-30)
出演:伊丹市少年少女合唱団および卒団生

入場方法
要整理券(無料)
※令和2年3月初旬、アイフォニックホール、市役所4階のこども若者企画課にて整理券配布予定

今後もITAMI ECHOでは、現役団員、指導者の先生方、卒団生との合同練習など、伊丹市少年少女合唱団の活動を取材・紹介し、この50周年という節目の年のクライマックスである定期演奏会に向けて、一緒に盛り上げていきますよ!次回の第2話にもご期待ください!!

第2話へとつづく

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