ショートインタビュー|神田泰利さん—20歳の初個展「光と色の分岐点」

公開日:2022年03月16日

現在、クロスロードカフェのギャラリー展示では「神田泰利 20歳の初個展『光と色の分岐点』」を開催中です(3月28日まで)。

まず目に飛び込むのは、展示作品の中央で存在感を放つ大きなキャンバス。青のグラデーションで描かれた電柱・電線が交差する直線が、白地の背景に浮かび上がるような印象的な作品です。

周りを取り囲む作品の多くは、植物や鳥など自然のモチーフが色彩鮮やかに表現されたCG(コンピューター・グラフィックス)によるアート作品ですが、この大きな作品は色鉛筆画であることや、電線・電柱という人工物のシルエットが存在感を際立たせています。よく見ると「池田高等学校」や「奨励賞」など書かれたラベルが貼られていて、高校時代の作品のようです。

ちょうど作家在廊中でしたので、20歳の現役大学生でもある神田泰利さんにショートインタビューさせていただきました。


——今回、クロスロードカフェで個展を開催することになったきっかけは?

以前クロスロードカフェさんで個展を見て、すごくあったかい良い雰囲気でしたので、池田市で開催された「BOTAFES」スタッフで店主の荒木さんと知り合った時に相談し、今回の開催となりました。

——壁面中央の「分岐点」と題された、大きく印象的な作品について教えてください。高校時代の作品のようですが、そのときはこのような作風で制作していたのですか?または、突然こういう作品にしようとひらめいたのですか?

突然と言えば突然ですが、当時、何か違うことをしたいという思いがあって。これは、大阪府の高校展に向けて制作した絵ですが、このサイズだと絵の具を使うにしても絵画全面を塗らないといけないという暗黙のルールがありました。なんかそういうルールを壁に感じてぶち壊してやろうと思い、半分以上何も塗っていないんです。

——ぶち壊してやろう!ということへの、自分なりの回答だったわけですね。

はい。それから、この作品はアートではあるんですけど、結構、僕はデザイン寄りなのかな、それならデザインをやろうと思うきっかけになった作品でもあります。

——いつから絵を本格的に描きはじめたんですか? 

実は、高校2年の夏までは部活で水泳をやっていたのですが、そろそろ進路を考えないといけないと思ったときに、運動に向いているかというとそうではないと思いました。それまではいわゆる普通の4年制大学への進学を考えていましたが、やりたいことやろうと考え、そこから美術部に入って絵を始めました。周りから見たら、急に絵の道に行ったように見えたと思います。

——水泳から方向転換するのに、他にもいろんなジャンルが世の中あるなかで美術部に入って絵を始めたのはどうしてですか? 

もともと絵の分野には興味はありましたが、それを学んだり職業にしたりするということには抵抗感もありました。でも、大学4年間何かを学び続けるわけですが、何なら続くのかなって考えたときに、やっぱりアートというジャンルだったら続くのではないかという思いに行き着きました。

——この高校時代の作品が基になって、現在の作品が展開しているという感じでしょうか?

そうですね。高校時代の作品は色鉛筆画ですけど、今はパソコンを使ってCGで制作しています。

——作品はどのようにデザインしているのですか?この特徴的な色彩はどのようにしてできているのですか?

モチーフをつくったあと、透かしみたいな感じで、パソコン上でつくったデザイン的な色彩をかぶせて、アイコニックなものに変えています。写真を撮って色を変えたものを背景にしています。色味を変換して別世界のものをつくる感じで。他の作品も色がついているものは、もとは全部写真からつくったものです。

——それでは今、CGで制作している作品の他に、ハンドドローイングや絵の具は使っていないのですか?

はい、時間があればすぐにでもやりたいですけど。そろそろもう一回、色鉛筆の原点に戻ろうかなと思っています。

——ぶち壊してやろうというのが出発点ということですので、自由にどんどんやっていただきたいです。

はい、しがらみがほとんどないので(笑)。

——植物は一見したところ緑一色ですが、実はその中には細胞とかいろんなものが動いています。展示された作品からは、そうしたモチーフの内側から湧き起こる生命力を感じましたまた、BOTAFESに出展された経緯からか、植物や鳥など陸上のモチーフが多いですが、ぜひ海をモチーフにした作品をもっと見てみたいと感じました。

5月に、梅田の画廊で「深海・古代生物展Ⅱ」という展覧会に出展しますので、それに合わせて深海生物や海の作品もつくろうと思っています。

——深海ってある意味本当の色が分からず、イメージにも縛られていないので想像の余地がありますよね。

わからないからこそ、どうとでも解釈できるというのがありますね。

——今後はこうしていきたいという希望や考えはありますか?

デザインですぐに生計が立つとは考えていないですけど、創作行為自体は続けていきたいというのはあります。自分の創作意欲を回していくというか、好奇心のエンジンを回すというか。

語弊があるかもしれませんが、仮にデザイナーという肩書はもっていなかったとしても、デザインを一度勉強したという視点があるだけで、デザイナーみたいな動き方ができるのかなと考えています。

——これからのご活躍を楽しみにしています!お話いただきありがとうございました。


個展概要

神田泰利—20歳の初個展「光と色の分岐点」

会期

2022年3月2日(水)~3月28日(月)

場所

クロスロードカフェ
伊丹市中央3丁目2-4
TEL:072-777-1369
11:30~20:00(火曜日・第3第5月曜日定休)

神田泰利さん略歴

大阪成蹊大学 芸術学部 造形芸術学科ビジュアルデザインコース2年生(20歳)

2019年
第71回高校展(大阪府高等学校美術・工芸展)奨励賞受賞

2020年
大阪府立池田高校卒業、大阪成蹊大学芸術学部入学

2021年
「BOTAFES 2021」に植物のアートパネル出展

2022年
池田市「2022 成人のつどい」リーフレットのメインビジュアル担当

同3月
伊丹クロスロードカフェにて初個展「色と光の分岐点」

同4月
梅田 芝田町画廊「自遊空間展その11」出展予定
第6回ロハスパーク川西 出展予定

同5月
梅田 芝田町画廊「深海・古代生物展Ⅱ」出展予定

作風

シルエットと背景デザインを組み合わせ、対象それぞれが持つ特有の雰囲気を、よりスタイリッシュに表現。「人の数だけ世界がある」と考え、身近なものの色味を変えた全く別の世界を探求中。

ライター:

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