リポート|老松のお酒で末永き繁栄を願う「鳴く虫と菊の節供」

公開日:2020年09月16日

伊丹の秋の風物詩「鳴く虫と郷町2020」の会期前のプレイベントとして、9月9日(水)「老松のお酒で末永き繁栄を願う『鳴く虫と菊の節供』」が開催され、会場となった三軒寺前広場では菊酒が振る舞われました。

伊丹の秋の風物詩「鳴く虫と郷町」の会期決定

9月9日は「重陽(ちょうよう)の節供(節句)」とも「菊の節供」とも言われ、かつては菊の花びらを浮かべたお酒=菊酒を飲んで長寿を願う風習がありました。この菊の節供を現代風にアレンジしたイベントが「鳴く虫と菊の節供」です。

2018年は猪名野神社の拝殿、2019年は白雪ブルワリーレストラン長寿蔵で開催されましたが、今年は、三軒寺前広場という開放的なスペースでの開催となりました。

朝から降ったり止んだりしていた雨も夕方には上がって、徐々に涼しく過ごしやすい気温になり、かごの中の虫たちも様々な音色を響かせ始めました。こうして虫の音を聞くと、今年も「鳴く虫と郷町」の季節が巡ってきたと実感します。

日が暮れると、イベントをめがけて来場した人、たまたま通りかかった人などが集まってきて、開始時刻の19時には約40人ほどになりました。

まずは、実行委員会から「菊の節供」のいわれや、菊酒を飲む風習の元となった中国の神仙説話の説明がありました。その故事を簡単にまとめると…

中国の後漢の時代、疫病に苦しむ町で、桓景(かんけい)という若者が、川に棲む疫病神を退治しようと仙人のもとで剣術の修行をしていました。

ある日仙人が「今年の9月9日に桓景の家族に災いがある。家人が茱萸(しゅゆ)の実を袋に入れて肘に掛けて山に登り、菊酒を飲めば災いを避けられる」と教えてくれます。桓景はすぐに町に戻り、人々にそれを伝えて実行し、疫病を逃れることができました。

そのまま桓景は疫病神を剣で退治し、町は疫病から救われました。人々は9月9日になると山に登り桓景の話をして、子孫へ<と語り継がれました。

なんだか、コロナ禍に見舞われた今の私たちにも重なる話ですね。故事にあやかり、菊酒に疫病退散の願いを込めていただきたいと思います。

さて、今宵の菊酒は、伊丹老松酒造株式会社の協賛により提供いただいた「本醸造『上撰』老松」にて振る舞われました。

その老松の営業企画課長の高橋晃さんが、ご挨拶に続いて乾杯の音頭をとり、居合わせたみなさんで乾杯!

お酒に食用菊を浮かべたもので、そのままグイッといただきました。秋の涼しさによく似合う、淡麗辛口のスッキリしたお酒で、美味しくいただきました。

会場では、鳴く虫と郷町の公式グッズも販売。いろんな柄の手ぬぐいがありますね。

その後も、いろんな方が入れ替わり立ち替わりブースに立ち寄って、菊酒を楽しんでいました。今年は音楽演奏などはありませんでしたが、こうして夜空の下でゆるりといただく菊酒もいいものですね。

主催:鳴く虫と菊の節供実行委員会
協賛:伊丹老松酒造株式会社
協力:ITAMI ECHO

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