公開日:2023年12月16日
家庭で余っている食品を集めて、必要とする地域の団体や施設、家庭に寄付を行う活動「フードドライブ」。支援に繋がるだけでなく、食品ロス削減にも繋がる取り組みです。
そんなフードドライブのブースが、イタミ朝マルシェに毎回開設されているのはご存知でしょうか?
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このフードドライブブースは伊丹市でフードバンク活動を行っている「ボランティアグループ 食deつながろ」によるもの。
「食deつながろ」は、伊丹市と協働でフードドライブの推進や、福祉団体・子ども食堂・ひとり親世帯など生活にお困りのご家庭等に食をつなぐ活動を行っており、「ストップ!食品ロスいたみ」の構成団体でもあります。
設立は2016年4月。
2020年の第29回「コープこうべ虹の賞※」では奨励賞(環境部門)を受賞しました。(※心豊かにくらせる地域社会づくりに貢献している個人や団体を表彰)
代表の小田希(おだ のぞみ)さんは、2015年までエンジニアとして働いていましたが、事業所の事情もあり早期退職を選択。その時期に参加した「女性起業塾」で受けた講座が「これから自分は何をして生きて行きたいか?」を考えるきっかけになったこととそこで縁のあった方々との出会いが今の活動につながっているそう。
伊丹市立中央公民館でフードバンク関西の前理事長、浅葉めぐみさんの話を聞き、日本の食品ロスの惨状とフードバンクの取り組みを知ったことで、2015年に開催された「ココロとカラダを変える食体験」講座の受講メンバーで「食deつながろ」を結成。
最初は美味しい店情報やお気に入りの調味料、手作り品を持ち寄っておしゃべりするといった集まりだったそうですが、小田さんの中で食関連の関心が高まっていたところに、浅葉さんから聞いた「食べ物は命、大切にしたい!」「飽食の時代と言われる現在、7人にひとりの子どもがお腹を空かせている」「日本の米生産量と同じ量の食べ物が日本で捨てられている」といった言葉から、「何か自分たちにできることは……?フードドライブを伊丹でやろう!」と、公民館まつりで初めて行ったことがきっかけとなり、フードドライブ活動がスタートしたのだそう。
その後、いろんな方々との出会いやコラボレーションを経て現在に至るそうです。
「食deつながろ」の活動と同時に、関心を持つ有志が集まって約2年の長い準備期間を経て、子ども食堂(あかね食堂)も立ち上げています(2016年12月)。
「食deつながろ」は、「もったいない」を「ありがとう」に変える活動として、家庭の余剰食品を預かり地域活用につなげる「フードドライブ活動」を推進し、2020年からは、伊丹市環境クリーンセンターと市民協働で食品ロス削減事業としても「フードドライブ活動」を展開。
現在は、2021年11月に導入された伊丹市拠点回収フードドライブ食品を中心に、市内のフードドライブ寄付食品(2022年度実績:年間約1.4トン)を地域活用に繋げています。
小田さんによると、集まったフードドライブ食品は、地元の福祉団体やこども食堂での活用、また行政や社会福祉協議会と連携し生活困窮者への食糧支援に活用されているそうで、活動を通して、地域循環型の食支援システムの構築・フードバンク事業を進めてきたとのこと。
2020年3月からのコロナ禍の影響で、仕事の減少や雇い止め等により生活困窮世帯が増加したことにより、「伊丹市くらし・相談サポートセンター」と連携し、年2回、緊急食糧支援事業「いたみ助けあいフードシェアリング」を実施。子どもたちが家で過ごす長期休暇中の夏休み前・年越し前に支援を行っています。
過去7回の実施で毎回約100世帯の方々がSOSの手を挙げ、支援食糧を受けています。
また、2023年度からは、SOSを出せていない困窮世帯を行政支援ネットワークに繋げるべく、こども食堂運営団体と協力しながらアウトリーチ型の食支援を進めているそうです。
2023年年末の緊急食糧支援事業を行うにあたっては、お米も食料も徐々に集まっているとのこと。
市民の皆様のご協力、本当にありがたいです。フードドライブを、定期的にお家の食品庫を見直すきっかけにしてもらえたら。暮らしに身近な台所からSDGsを始めてみませんか?
(小田さん)
「消費期限までに食べきれない」「たくさんもらって余ってる」など家庭に眠っている余った食品をフードドライブのブースや回収場所に持ち寄ることで支援に協力が可能です。
賞味期限が1ヶ月以上残っているもの、常温保存可能なもの
直近では、12月16日(土)のイタミ朝マルシェで、フードドライブブースに余った食品を持参して寄付することができます。
また、市役所や一部の公共施設などでの定期的な回収(拠点回収でフードドライブを実施)、市役所新庁舎一階のファミリーマートに常設されているフードドライブボックス(ファミマフードドライブ)などを利用することで支援が可能です。
フードシェアリングについては、年末の実施のほか、年明けには、子ども食堂参加者へのシェアリングも開催予定とのこと。
小田さんは話します。
このプロジェクトは、コロナ禍以降の物価高騰等により生活にしんどさを抱える世帯を食を通してサポートすると同時に、地域で需要供給アンマッチ等で行き場を失った食品や、家庭の余剰食品を廃棄することなく、地域の必要な人へ繋げる地産地消型の循環型食糧支援の仕組みです。
地元でお互いに助け合う、「もったいない」を「ありがとう」へ繋げる本プロジェクトにご協力いただき、皆さまからお預かりした食品を必要とする地域にお住いの方々へにお繋ぎできればと思います。一人でも多くの皆さまにご支援、ご賛同いただきますようお願い申し上げます。
「前職場で縁のあった方やいろんな方々との出会いの中で自分のアンテナにビビッと感じた方向へと進んだ結果、今に至る」と話す小田さんは、「食deつながろ」について、「最近はメンバーと仕事をうまくシェアできるようになりました。実働はある程度任せつつ、将来の団体のあり方を考える日々です」とのこと。
今後の「食deつながろ」の展開や小田さんの活動に要注目です!
フードドライブ(食糧寄付)やフードシェアリングについての詳細、スケジュールについては、イタミ朝マルシェのフードドライブブースでお尋ねいただくこともできます。または、下記連絡先までお問い合わせください。
ボランティアグループ 食deつながろ
メール: fooddrive.itami@gmail.com
TEL: 050-1809-1383(平日9時~17時受付/時間外は留守番電話対応)
Written by ITAMI ECHO編集部