公開日:2024年10月01日
鳴く虫の郷町の期間中、俳句を大募集!「鳴く虫と郷町」や「鳴く虫」「郷町」をテーマに詠んでみよう!として募集した俳句。
それぞれの部の受賞作品を発表します!みなさんが投稿してくださった作品も、すべてシェア!
カネタタキ 姿見えぬが 歌ってる
(はつ虫・子どもの部)
<選出コメント>
秋の夜、姿は見えないけれど虫の声は響いていて、それに耳を澄ます。虫はまるで歌ってくれているようで、なんだかうれしくなる……。そんな素直な気持ちがストレートに表現されたすてきな句だと思いました。
虫集ひ福を奏でて郷町へ
(噂野アンドゥー・大人の部)
<選出コメント>
「福を奏でる」という表現がとてもいいと思いました。
鳴く虫たちの音色が福を運んでくる、その音色を聴いた人たちが幸福になる。
そのような鳴く虫たちと人々が集う郷町界隈…。
まさしく、「鳴く虫と郷町」の理想とする情景が詠われている句だなと感じました。
独り居の母のもてなし月鈴子
(桃太郎・大人の部)
<選出コメント>
お家での様子がつたわって、ほっこりしました。ゲツレイシってスズムシの別季語なんですね。高年層のスズムシの里親さんから、スズムシを飼うことで生活の潤いになったとか、日々の張り合いになるなどの言葉をいただくことがあります。句のお母様の状況はわからないのですが、スズムシがお家で親しまれているようすが伺えました。
伊丹では鈴虫松虫こほろぎに人も集ひし郷町の唄
(噂野アンドゥー)
玉虫は神代の色を背負ひけり
電球の中は真空地虫鳴く
井戸のみを残す生家や鬼蜻蜓
(メダカ)
箸立てに箸が垂直法師蟬
ダイヤルの電話機残る春の蟬
籠の虫みんな放ちて子は兄に
電球の中は真空地虫鳴く
その中に神の金鈴振るふ虫
馬追の雨くる風を捉えけり
ドア開けるたび鈴虫の応えけり
(桃太郎)
鈴虫より月に大事なお願いが
鈴虫の手提げおそろいkくんと
鈴虫より月にたってのお願いが
(山崎清子)
虫の音と 行灯やさしく また来年
(なんくる虫)
くらやみのヘラクレスオオカブト
たのしいないろんなひとのよみきかせ
(しんぺい)
虫の音を聴きつつ食べる奴(やっこ)かな
(無太郎)
「ぎー」と「ちょん」二匹で会話 キリギリス
飛行機と チキチキ交差す 河川敷
(ケロ鈴の母)
暗蔵で虫の世界に目がくらむ
好きなこと虫のおかげで増えた秋
澄みわたる伊丹のお酒も虫の音も
郷愁の虫の音響く十字路に
虫たちが暮らしやすいまち人もまた
夏過ぎて毎年楽し虫の歌
(すいか)
宵越しの金は持たないキリギリス
茄子食べて虫と同じね仲間だね
羽こすり懸命に鳴く愛の歌
虫の音に思い出すのは過去のひと
(きりぎりす)
見上げれば竹籠の中歌う虫
生ぬるい風に響くは虫の愛
風流で何でもありな虫祭事
夢心地 鈴虫の歌 求愛の
(こう)
鈴虫の羽音や本を繰るに合わせ
(ラフトラックブックストア)
虫籠の外へ怪しかる触角ぞ
(鳥羽南良)
暗蔵のそれぞれひとり虫の闇
あの人の知らぬ一面きりぎりす
(i.m)
おやすみにおはよう返す虫の歌
(ちひ)
ひとりの方がたくさんの作品を送ってくださったり、大人から子どもまでの投句もあり、盛り上がった第2回目でした!どの句もすばらしく、賞を選ぶのに各賞の審査員とも苦労しました。投句くださったみなさま、本当にありがとうございました!
伊丹市昆虫館
鳴く虫と郷町運営委員会
Written by ITAMI ECHO編集部