クロスロードカフェで開催(10/26)されたトークイベント「『わかりあえる 知ろうとすれば』ービースアートでつながる アフリカと日本ー」に参加してみた!

2019年11月24日

クロスロードカフェで開催中のアフリカン・ワイヤー&ビーズアートのコラボ作品展「『AFRICA』-Be wired Be Beaded Be Upcycled-」(~12月2日(月)まで)は、もうご覧になりましたか?

(イベント紹介記事はこちら)

クロスロードカフェでアフリカン・ワイヤー&ビーズアートのコラボ展(Joseph & ZUVALANGA)が始まる!(10/22〜12/2)

アフリカン・ビーズアートのユニット「ZUVALANGA(ズワランガ)」さんの師匠でもあるJoseph Ketche(ジョセフ・ケチェ)さんが3年ぶりに南アフリカ共和国(以下、南アフリカ)から来日してのコラボ作品展で、多数の躍動感あふれる生きものたち(をモチーフにしたワイヤー&ビーズアートの作品)がクロスロードカフェの店内に展示されています(購入もできます!)。

ジョセフさんの日本滞在の様子は、ズワランガさんのブログでも紹介されていますよ。

さて今回は、10月26日(土)に開催された、ジョセフさんの来日を記念したお話会&スライドショー「『わかりあえる 知ろうとすれば』ービースアートでつながる アフリカと日本ー」の様子をリポートします!

南アフリカのワイン

まずトークが始まる前に、ワンドリンク付きイベントということもあり、この日のために用意された南アフリカ産のワインの紹介がありました。南アフリカはアフリカ大陸の最南端の国で気候は温暖。気候区分はイタリアやスペインと同じ地中海性気候になりますので、ワインが特産品というのもうなずけます。私は、白ワインをチョイス。お味は・・・味や香りがとても豊かでおいしい!!ドリンクでリラックスしたところで、トークが始まりました。

ジョセフさんは「南部」アフリカ人?

まずは、ジョセフさんの自己紹介から。ジョセフさんは現在、南アフリカの首都ヨハネスブルクで暮らしています。ジョセフさん自身はジンバブエ共和国で生まれ育ちましたが(国籍もジンバブエ人)、ジョセフさんのお父さんはザンビア出身、お母さんはマラウィ出身・・・何だかこんがらがってきましたね。次の地図を見てください。

アフリカの大陸の一番南にあり、緑色で示した国が、ジョセフさんが現在住んでいる南アフリカです。その上の黄色がジンバブエ、さらにその上の青色がジョセフさんのお父さんの国ザンビア、その横にある赤色の細長いところがお母さんの国がマラウィです。いずれも国の名前です。

ジョセフさんは、出身や国籍としてはジンバブエ人ではあるけれど、南部アフリカ地域の複数の国にルーツを持つため「南部アフリカ人」でもあると自己紹介されていました。島国の日本とはちがった、アフリカ大陸のスケールの大きさを感じます。

(ちなみに、地理学上の「南部アフリカ」はアンゴラ、ザンビア、マラウィ、モザンビーク、マダガスカル以南の国々を指します)

ジンバブエの国旗から

ジンバブエは、日本人にはあまり馴染みのない国。ジンバブエの簡単なあらましについて、国旗から説明いただきました。

(ジンバブエの国旗)

とてもカラフルな国旗ですね。色にはそれぞれ意味があるそうで、緑は農業、黄色は鉱物などの資源でともに国の主要産業、赤はイギリスからの独立戦争で流された血、黒は黒人の伝統と民族、白は平和を意味するそうです。そしてなにより印象的なのは、左側の赤い星と鳥のような図案。星は勝ち取った自由を、鳥は、国名の由来にもなったグレートジンバブエ遺跡(石を積み上げた巨大な石造建築遺跡)から発掘された、チャプングという鳥の彫像だそうで、国シンボルにもなっているとのこと。

無数の石を器用に積み上げた建築、生きものを形どった彫像・・・どことなく、今のワイヤー&ビーズアートにつながっているような気がしますね。

ジョセフさんとズワランガさんとの出会い

さて、今回のトークイベントのタイトルは「『わかりあえる 知ろうとすれば』ービースアートでつながる アフリカと日本ー」。ジョセフさんとズワランガさんが出会った頃のエピソードから、印象的なタイトルの意味が紐解かれていきます。

ズワランガのお二人が南アフリカの首都ヨハネスブルクで暮らしたのは2011年~2014年。南アフリカに着くと、空港や街のあちこちで見かけるワイヤー&ビーズアート。興味をもった二人は、このアートを習ってみたいと考えたのですが、現地にはワイヤー&ビーズアート習える場所はありません。それで仕方なく、アーティストの工房が集まる地区に通いだしたそうです。

そこで出会ったのが、後に二人の師匠になるジョセフさん。ただ、ジョセフさんの方では、最初は二人のことをただのお客さんとしか思っていなかったとのこと。ジョセフさんの工房には世界中から観光客が訪れます。

ズワランガのお二人は、毎週のように工房に通うのですが、アートを習いたいと言ってもジョセフさんに何となくごまかされ、なかなか教えてもらえません。

ジョセフさんによると、アーティスト仲間の間には、「あの二人は、俺たちのことをこじ開けようとしているぞ」と警戒する声もあったとか。アーティスト達には、自分たちの技やアイデアなどをなるべく守りたいという意識があるそうです。中には二人に「帰れ!」と言うアーティストも。

一方で、ズワランガのお二人も、諦めずに通い続けます。ある時は、アーティスト達の警戒を解こうと、日本から持ち込んだタコ焼器(さすが大阪人!)を持って行き、タコ焼きを作ってみたりしたそうです(笑)。食べものなら距離が近くなる?と思いきや、ジョセフさんにとっては、ますます「わけが分からない」と映っていたとのこと。普段、外国人などのお客さんが訪れた時は、テーブルや椅子を出すこともあるそうですが、この変な二人にはテーブルも出さないようにしたそうです。

わかりあえる?

なかなか警戒が解けない中で、何がきっかけになって「わかりあえる」関係になったのでしょうか?

きっかけは、ジョセフさんのお店(自作のアート作品を販売)で働いていた女性から。その女性が、ズワランガのお二人を見ているうちに「(教えてあげても)いいんじゃない」と言い出したそうです。それでもジョセフさんとしては、「何か小さいものでも作り方を教えて、それで満足すれば、もう来なくなるかも?」と考えたそうです。

ようやくズワランガのお二人は、ワイヤー&ビーズアートを習い始めることができました。

トークを挟みながら、ジョセフさんたちアーティストの工房・ショップが集まる地区の映像がスクリーンに映し出されました。アーティスト達は、工房を抜ける通路や裏庭などの屋外に椅子を出して、話をしながら、時には黙々と、ワイヤーを曲げては形を作り出していきます。

青空の下、お互いのこと、家族のこと、色んなことについて語り合ったそうです。そうして、少しずつお互いのことを知っていく中で、次第に打ち解けていったとのこと。

今回のクロスロードカフェでの作品展の期間中も、しばしばお店の前に椅子を並べて、ゆっくりと会話しながら作品づくりにいそしむジョセフさんとズワランガのお二人を姿を見かけます。秋晴れの空、次第に色づくケヤキの樹ともあいまって、とてもピースフルな時間が流れているのを感じます。きっと、南アフリカでもこんな雰囲気で会話していたんでしょうね。

アフリカン・アートも日本では・・・

さて、師匠のジョセフさんはズワランガさんの作品をどう見ているのでしょうか?

ジョセフさんによると、日本人はカラフルな色を好むとのこと。南アフリカでワイヤー&ビーズアートのアーテイスト達が作る作品は、動物や植物のモチーフでもどちらかと言えば自然の色のままに作るそうです。作品のフォルムもシンプルで、とにかく作るのが早い。

それに比べて、ズワランガさんの作品は、例えばクロスロードカフェの店内に大きなゾウの頭の作品が展示されていますが(今回の作品展のチラシにもデザインされています)、ゾウの顔に印象的なモザイクカラーを組み合わせています。他にも、ピンク色のゾウだったり、青いトカゲだったり、モザイクのカエルだったり、自然界にはいないような自由なカラーリングの作品もたくさんあります。ジョセフさんも、日本滞在中に作品を作る時は、そうした日本人の好みに合わせたりするそうです。

Recycleではなく、Upcycle

今回の作品展のタイトルは、「『AFRICA』-Be wired Be Beaded Be Upcycled-」です。はじめの2つはワイヤーとビースなので分かりますが、3つ目のUpcyle(アップサイクル)という動詞はあまり馴染みがありません。そこで、「Be Upcycled」の意味やその言葉に込めた思いについて、ジョセフさんに質問してみました。

アフリカン・ワイヤー&ビーズアート、それからその元となったワイヤーアートのアーティスト達は、身近にある材料で、例えばスクラップの金属片やタイヤからでも、アイデアがひらめくままに、バイクや車などのオブジェ、仕掛けのあるおもちゃ、写真立てなどの雑貨等を作っていくそうです。

今回の日本滞在でも、ジョセフさんは使われなくなった自転車を見て、そのリムを使って樹木をモチーフにした素敵な作品を作り上げました。それは、わざわざ不用品を探してきて無駄にしないためにRe-cycle(リサイクル、再利用)するのではなく、たまたま材料として身近にあったものを使っているだけ。それが結果としてリサイクルになることもあるけれど、そういう意識はなく、あるモノにアイデアを加えて別のアート作品を作り出す、そうした意識のあり方をUp-cycle(アップサイクル)と表現したそうです。うーん、なかなか奥が深い言葉ですね。

話は尽きず・・・

この日のトークイベントでは、他にもジョセフさんの日本滞在中(今回は2016年の滞在に続き2回目)の出来事の数々・・・刺身など生モノを出すと「tomorrow(また明日)」と言いつつ永遠に食べないとか(ジョセフさんによると、相手に失礼のないように断る時の常套句だそうです)、広島の原爆資料館で3時間ぐらい展示に見入った話、花火で二尺玉が打ち上がる音を聞いて隣の国が攻めてきたのかと思った話(これは冗談?本気?)、万博公園内にある国立民族学博物館で作品が展示されたいきさつなどなど、話は尽きず、和やかにトークが進行しました。

トークを聞いてみて

ジョセフさんは、どちらかというと冷静で落ち着いていて(後で聞いたら、トークイベント中は緊張していたそうですが)、大げさに話すこともなく、ゆっくり言葉を探しながら話を進める姿に誠実な人柄を感じました。もう一つ、トークの中で何回も「毎日いろんなアイデアを考えていて、新しい作品を生み出したい」と繰り返していたのが印象的でした。ズワランガさんとの交流やお互いへの刺激も、日本での経験も、すべては新しい作品づくりの糧にしていく。そんな職人堅気な人柄も感じました。

作品展は12月2日まで!

そんなジョセフさんとズワランガさんの、アフリカン・ワイヤー&ビーズアートのコラボ作品展「『AFRICA』-Be wired Be Beaded Be Upcycled-」は、クロスロードカフェで12月2日(月)までの開催です。週末などは、3人がお店の前で作品を作っているのを見かけます。まだ作品展をご覧になっていない方はぜひ、既にご覧になった方も新しいお気に入りを探しに、ぜひ作品展に足を運んでみてください。

以上、トークイベントのリポートでした。

取材にご協力いただいたジョセフさん、ズワランガさん、クロスロードカフェさん、どうもありがとうございました!

文&写真:マルコ@エコー

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