伊丹市昆虫館コラム|猫?ウサギ?いいえイモムシです

公開日:2026年06月10日

イモムシは小さくて、隠れるのが上手です。日々の生活の中では、ほとんど姿を見ることはないでしょう。イモムシの多くは自ら攻撃が出来ないため、身を守るにはなるべく目立たないようにするしかありません。身を守る方法のひとつとして、擬態(生きものが他のものに姿を似せることを)をするイモムシがいます。まず思い浮かぶのが枝にそっくりの尺取り虫(シャクガ科の幼虫の総称)です。木の枝に紛れてしまうと、どこにいるのか全然わからなくなります。動くと見つかるので、エサを食べる時やフンをする時以外はほとんど動きません。

枝に擬態するトビモンオオエダシャク

「トビモンオオエダシャク」という尺取り虫の頭部を見ると、耳のような突起があり、まるでネコの顔のようです。地味な色で、遠目からは枝にしか見えませんが、近くで見るとネコのような顔をしているので、思わず笑ってしまいます。

まるでネコのような顔をしたトビモンオオエダシャク

他にも、「ゴマダラチョウ」というタテハチョウ科の幼虫にはシカの角のような突起があります。じっとしている時は頭部を伏せ、葉っぱに紛れていますが、敵に襲われそうになった時や、仲間同士のけんかの時に角を使って威嚇することがあります。人間の目からみると可愛く思えますが、その角にはちゃんと理由があるのです。

シカの角のような突起があるゴマダラチョウ

中には、可愛いだけにしか思えないイモムシがいます。ササ類の葉裏に潜み集団でエサを食べている「サトキマダラヒカゲ」というタテハチョウ科のイモムシは小さくてわかりにくいですが、とても可愛いネコのような顔をしています。この耳のような突起は何に使われているのでしょうか?武器にもなりそうにないし、擬態しているようにも見えません。まるで私を癒やしてくれるような気がして、ササの葉を見かけて食べ痕を見つけると、めくって探すようになりました。

ササの葉裏に潜むサトキマダラヒカゲ(集団)
サトキマダラヒカゲ

身近にはこんなに可愛らしいイモムシが潜んでいます。皆さんもぜひ探してみてくださいね。

現在、伊丹市昆虫館の2階学習室で、クヌギの鉢に潜むトビモンオオエダシャクを展示しています。ぜひ見つけに来てください!

(伊丹市昆虫館 学芸スタッフ・前畑真実)

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