公開日:2026年08月30日
毎日の通勤や仕事での運転。そして、これから先の人生に必要なお金。
どちらも「大切なこと」と分かっていても、日常生活の中ではあまり深く考えないテーマではないでしょうか。
そんな身近な二つのテーマを改めて考える社内講習会が、伊丹市の株式会社精和工業所で開催されました。
精和工業所さんについては、これまでも、伊丹ふれあい夏まつりでの「あるこ~ば」ブース、地域一体型オープンファクトリー「あるこーば」、市立伊丹ミュージアム(郷町◯店)でのホットビール出店等の活動についてご紹介してきました。
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今回の、社内講習会の対象は全社員の皆さんですが、会場の都合で今回研修に参加出来なかった社員の皆さまには配信で受講できるようにされているそうです。
今回取り上げられたのは、「交通安全」と「健康経営(お金の健康)」。
一見するとまったく違うテーマですが、共通しているのは、「知らなかった」では済まされない未来のリスクに、今から備えることでした。


前半のテーマは「道路交通法の改正と交通安全」。
講師を務められたのは、株式会社フォージィの大薮社長です。
講習では、ながら運転やあおり運転の厳罰化、自転車をめぐるルールなど、近年の道路交通法の変化や今回の改正について幅広く解説されました。
特に今回要注意なのは2026年9月1日から施行される生活道路の法定速度の引き下げです。
警察庁によると、9月1日から、中央線や車両通行帯などが設けられていない一般道路では、法定速度がこれまでの60km/hから原則30km/hに引き下げられます。
つまり、住宅街や地域住民が日常的に利用するような「生活道路」が、これまでとは違う速度感覚で走らなければならない道路になるということ。
道路のすぐそばには、そこに暮らす人がいます。
子どもが歩いていたり、高齢者が通行していたり、自転車が走っていたり、住宅や店舗から人が出入りしたり。
速度を抑えることは、そうした道路を利用する人たちの安全を守ることにつながります。
ところが、「そんなルール変更、知らなかった」はとても危険です。
「この道は今まで普通に走っていたから」と、これまでの感覚のまま運転してしまえば、気づかないうちに法定速度を超えてしまう可能性があります。
今回の講習は、単なる法改正の説明ではなく、
「自分がハンドルを握ったときにどうするか」
を考える機会になったのではないでしょうか。
なお、今回の改正ですべての一般道路が30km/hになるわけではありません。中央線や車両通行帯が設けられている道路などは、原則として従来どおり60km/hの法定速度が維持されます。
また、道路標識などで最高速度が指定されている場合は、その指定速度が適用されます。
「通い慣れた道だから大丈夫」ではなく、道路の種類と標識を確認して走る。
9月1日を前に、私たちも一人ひとりが意識しておきたいポイントです。

講習では、自転車を取り巻くルールについても紹介されました。
自転車は道路交通法上「軽車両」であり、決して歩行者と同じ存在ではありません。
そして2026年4月1日からは、16歳以上の自転車運転者を対象に、一定の交通違反について「青切符」による交通反則通告制度が導入されています。
信号無視や一時不停止、携帯電話使用など、日常生活の中で「ついやってしまいそう」な行為も、交通ルールとしては決して軽くありません。
さらに、自転車の酒気帯び運転についても罰則が設けられています。
「自転車だから大丈夫」ではなく、自転車も交通社会の一員として責任を持って利用する。
これは、自動車を運転する人にとっても同じです。
自転車に乗る家族がいる人、自転車で通勤する人、子どもが自転車に乗る家庭。
今回の講習を、自分自身だけでなく家族の安全を考えるきっかけにしたいところです。
もう一つ印象的だったのが、「非接触事故(誘因事故)」についての話です。
車と相手が直接接触していなくても、自車の動きによって相手が急ブレーキをかけたり、転倒したりするなど、事故を誘発した場合には責任を問われる可能性があります。
つまり、
「ぶつかっていないから事故ではない」
とは限りません。
そして、万一の際にはドライブレコーダーが状況を記録する重要な証拠となることもあります。
交通安全とは、事故を起こさない技術だけではなく、「事故を起こさない余裕」を持って運転することなのかもしれません。

後半のテーマは、健康経営の一環として行われた「お金の健康」。
講師を務められたのは、アクサ生命保険株式会社の加藤氏です。
「健康」と聞くと、まず思い浮かぶのは身体の健康や心の健康。
しかし、人生を長く考えたとき、切り離して考えることができないのが「お金」です。
講演では、収入と支出、貯蓄、将来必要になるお金などを整理し、自分の人生を数字で見える化する「ライフプランニング」の重要性が説明されました。

同じ会社で働いていても、社員一人ひとりのバックボーンは違います。
つまり、誰にでも当てはまる「正解の人生設計」があるわけではありません。
だからこそ必要になるのが、自分自身の希望とリスクを織り込んだオーダーメイドのライフプランです。
漠然とした不安も、数字にしてみることで、初めて具体的な課題として見えてきます。

講演では、金融リテラシーの基礎として、収支と貯蓄、複利、インフレ、長期・積立・分散投資などについても説明されました。
中でも紹介されたのが「72の法則」。
複利運用において、資産が約2倍になるまでのおおよその年数を「72÷金利」で考えるという、資産形成を理解するための目安です。
また、物価が上昇すれば、同じ金額で買えるものは少なくなります。
「銀行に置いておけば安心」と考えるだけではなく、将来のお金の価値まで考えておく必要があります。
一方で、投資には価格変動などのリスクもあります。
だからこそ、講演では長期・積立・分散という考え方や、一定額を定期的に購入する「ドルコスト平均法」についても紹介されました。
大切なのは、単純に「投資をすればいい」という話ではなく、
自分の目的とリスク許容度を知ったうえで、自分に合った方法を考えること。
それがライフプランニングの出発点なのかもしれません。
交通安全と、お金の健康。
今回の二つの講習には、共通するメッセージがあります。
それは、「まだ起きていないことだから」と後回しにしないこと。
交通ルールは、事故が起きてから覚えるのでは遅い。
お金の問題も、必要になってから考えるのでは選択肢が限られてしまうかもしれません。
だからこそ、今のうちに知っておく。
そして、自分に必要なことを考えておく。
株式会社精和工業所で行われた今回の社内講習会は、社員の皆さんが「安全」と「これからの人生」を、自分自身の問題として考える時間となりました。
私たちにとっても、
「いつもの道を、いつもの速度で走っていないか」
そして、
「これからの人生を、なんとなくのまま過ごしていないか」
を、一度立ち止まって考えるきっかけになりそうです。
毎日の安全も、これからの人生も。
大切なのは、未来に起こることを完全に予測することではなく、今の自分にできる備えを少しずつ始めること。
そんなことを考えさせてくれる、今回の株式会社精和工業所の社内講習会でした。
研修のあとは、株式会社精和工業所・総務部の立岩麻実さんに案内していただき、2階のショールームを見学させていただきました。
ショールームに並んでいたのは、日常の家庭生活ではなかなか目にすることのないさまざまな製品たち。

例えば、上の写真はエコキュートや電気温水器などに使用されるステンレス製の貯湯タンク。写真の製品は370Lタイプで、80℃以上のお湯を貯めることができ、長期間の使用を支える精密な溶接技術が生かされています。

そのほかにも、手をかざすだけで消毒液を噴射する非接触式の消毒液ディスペンサー「キャパクリーン」や、職人の味を再現しながらラーメン提供を効率化する「ラーメンサーバー」などの製品も。
そして興味深かったのが、ショールームには精和工業所のオリジナル製品だけでなく、OEMで供給されている製品も数多く展示されているということ。
普段はなかなか知ることのできない同社の「ものづくり」の広がりを感じることができました。
今回の研修では「交通安全」と「お金の健康」という、社員の皆さんの暮らしに直結するテーマを学びましたが、研修後のショールーム見学では、精和工業所が日々どんな技術で社会を支えているのかを垣間見ることができました。
伊丹に、このような技術を持つ企業があることを改めて知る機会となりました。
伊丹市に本社を構える株式会社精和工業所は、1962年創業、ステンレス溶接加工の技術を軸に、住宅設備から産業・宇宙航空関連機器まで幅広く手がけてきた企業です。
2025年9月・2026年5月には、市内のものづくり企業と共に、「地域一体型オープンファクトリー あるこ〜ば」を開催しました。
株式会社精和工業所ウェブサイト
株式会社精和工業所Instagram
伊丹市北本町3-105
Written by ITAMI ECHO編集部